ペットを飼っても大丈夫?

この記事の監修者

医師天神尚子 先生
産婦人科 | 三鷹レディースクリニック院長

日本医科大学産婦人科入局後、派遣病院を経て、米国ローレンスリバモア国立研究所留学。その後、日本医科大学付属病院講師となり、平成7年5月から三楽病院勤務。日本医科大学付属病院客員講師、三楽病院産婦人科科長を務めた後、退職。2004年2月2日より、三鷹レディースクリニックを開業。

 

近年、ペットを飼っている家庭も増え、そこに赤ちゃんを迎え入れるというケースも少なくありません。その際にはいくつか注意したいポイントがあります。

 

まず、ペットの糞を処理した後にちゃんと手を洗うなど、衛生管理をきちんとすることが大切です。また、ダニ、ノミによる被害の心配もあるので、シャンプーをしたり害虫駆除の薬を飲ませるなどの処置も怠らないようにしましょう。


赤ちゃんが生まれたらペットとは同じ部屋にしないよう、ペットの新しい部屋を確保しておきましょう。万一に備えて、赤ちゃんはベッドに寝かせるなどの配慮も必要です。ペットは育児用ミルクのにおいがする赤ちゃんが側にいると、なめたりかんだりする恐れがあります。また、飼い主の愛情が赤ちゃんのほうにだけ向けられるとペットがやきもちを焼いて赤ちゃんに飛びかかったりすることもあります。飼い主としてペットにも変わらぬ愛情を注いであげることも大切です。

 

 

トキソプラズマ症

トキソプラズマ症は動物に寄生している原虫「トキソプラズマ」が、糞や生肉などを介して感染する感染症です。

妊婦さんが感染するとトキソプラズマが胎盤から胎児の体内に潜入し、生まれてくる赤ちゃんに先天性トキソプラズマ症を引き起こすことがあります。先天性トキソプラズマ症を発症すると、水頭症、小頭症、脳性麻痺などを招くことがあります。

 

妊娠前にトキソプラズマに感染して免疫ができている場合や、妊娠20週以降に感染した場合はまず問題ありません。ただし、妊娠してから新たにペット(特に子猫)を飼うような場合は注意が必要です。妊婦さんにトキソプラズマ症に対する免疫ができていない場合は特に注意が必要です。

 

 

トキソプラズマ症の検査と治療

トキソプラズマ症に関しては、妊娠前に感染していたのであればまず問題はありません。トキソプラズマ症にかかっているかどうかは、血液検査によって調べることができます。この検査で疑わしい数値が出た場合、IgM抗体の再検査を受けますが、妊娠前に感染したものである場合は数値の上昇が見られないので安心です。妊娠中に感染した場合には抗生物質などを服用して治療します。妊娠途中で感染したとしても胎児に影響が出る確率は非常に少ないので、あまり心配し過ぎず医師の指示に従って治療しましょう。

 

 

ペットを飼っていた人の体験談

妊娠する3年前からずっと、マルチーズ(ルル)を飼っていました。結婚して10年目になりますが、ずっと子どもができなかったので、ルルは私たちにとっては子ども同然です。マルチーズなので、室内で一緒に生活していますし、妊娠したからといって、いきなり部屋を別にするのもかわいそうで、ずっと悩んでいました。実家の両親は、「妊娠中にペットと一緒に暮らすなんてとんでもない」と怒り出すし、夫の両親も「うちで預かる」と言い出す始末で、どうしたらいいのかと本当に悩みました。

でも、産婦人科の先生に相談したところ、「節度をもって接している限り大丈夫」と言われたので、不安はありましたが一緒に暮らすことにしました。ただ、食卓には近づけない、触れたら手を洗う、寝室には入れないなど、少しずつ別々の生活に慣らしていきました。突き放すようでかわいそうだったけれど、出産後も問題なく一緒にすごせているので、あのころにきちんとしつけておいてよかったなと思いました。

私の場合、妊娠していると知らず、ペットショップでアメリカンショートヘアを買ってしまいました。お店に戻すわけにもいかず、どうしようかとずっと悩んでいました。妊娠と慣れないペットの飼育では、体もくたくたになってしまうし、衛生面でも気になるし。結局、妊娠してからペットを飼うのは、トキソプラズマ症にかかる恐れがあるので避けたほうがいいと産婦人科の先生にも言われ、泣く泣く友人に譲ってしまいました。でも、もしものことを考えるとこの選択でよかったのかもしれない、と思う今日この頃です。

 

 

 

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