妊娠糖尿病と糖尿病合併妊娠

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監修者

医師 天神尚子 先生

産婦人科 | 三鷹レディースクリニック院長


日本医科大学産婦人科入局後、派遣病院を経て、米国ローレンスリバモア国立研究所留学。その後、日本医科大学付属病院講師となり、平成7年5月から三楽病院勤務。日本医科大学付属病院客員講師、三楽病院産婦人科科長を務めた後、退職。2004年2月2日より、三鷹レディースクリニックを開業。

 

■主な経歴

1981年 日本医科大学医学部卒業
1988年 米国ローレンスリバモア国立研究所 留学
1994年 日本医科大学 産婦人科学講師
1995年 東京都教職員互助会三楽病院 産婦人科科長
1995年 日本医科大学 産婦人科学客員講師
2004年 三鷹レディースクリニック開業

 

■所属学会

日本産婦人科学会
日本女性医学学会
日本生殖医学会
日本産婦人科乳腺医学会

 

■メディア履歴

【雑誌】

妊婦さんの出産準備を応援する雑誌「Pre-mo(プレモ)」(主婦の友社発行)

「マタニティ」(学研プラス発行)

「妊すぐ」(リクルート発行) ほか多数

 

【テレビ・ラジオ】

NHK『ニュース シブ5時』でPMDD(月経前不快気分障害)セルフチェック!の取材

患者さんから先生へ感謝の手紙を紹介する番組『Letters~感謝の手紙~』(テレビ東京)

TBS『アッコにおまかせ!』で産後うつについてコメント 他

 

【その他メディア】

妊娠・出産・育児の情報サイト『ベビーカレンダー』監修者
生活総合情報サイトAll Aboutで産後ブルーについての記事執筆
妊娠・出産・育児に関する情報サイトgooベビーで診察室から 最近の診療現場で感じることの記事執筆
 

■HP:三鷹レディースクリニック

 

 

妊娠糖尿病

妊娠糖尿病は、それまで糖尿病の症状がなかった人が妊娠をきっかけに発症するものです。妊娠糖尿病になると妊娠高血圧症候群や羊水過多症、感染症などを引き起こしやすくなります。

妊娠糖尿病になると胎児へも影響します。お母さんの血糖値が高いと糖が赤ちゃんの方に移行し、胎児も高血糖の状態となります。赤ちゃんの方に移行した糖は脂肪として蓄えられるため、巨大児が生まれる可能性があり、巨大児になると自然分娩が難しく帝王切開にならざるを得ない場合があります。妊娠糖尿病になった妊婦は出産後は正常に戻るとはいえ、約半数は10〜20年後にはまた糖尿病を発症するといわれています。

妊娠糖尿病と診断された場合は、食事療法と運動療法によって血糖値を正常に保つよう調整することが大切です。医師の指導に従い、生活習慣の改善に努めましょう。

糖尿病になった妊婦には、治療の一環としてインシュリン注射を行う場合があります。インシュリンは胎盤を通らないため、赤ちゃんに影響することなく母体の治療に役立つので安心して治療を受けてください。

 

 

糖尿病合併妊娠

糖尿病を発症していた人が妊娠したことを「糖尿病合併妊娠」といい、妊娠をきっかけに糖尿病を発症した「妊娠糖尿病」とは分けています。母体が糖尿病を発症している場合赤ちゃんは巨大児になることがありますが、重症の糖尿病の場合は低体重児のまま未熟児として生まれてくることもあります。また、さまざまな感染症を引き起こしたり妊娠高血圧症候群や羊水過多症を引き起こすこともあるので注意が必要です。

妊娠糖尿病は比較的軽症で済むため、食事療法と運動に気を付けていれば問題なく出産できるケースが多いのですが、糖尿病合併妊娠は重症になりやすいため、医師の管理の元で血糖値を保つための療法を厳密に行わなければなりません。そのため、入院をして管理に努めなければならないことがありますが、母体とおなかの中の赤ちゃんを守るため医師の指導に従ってください。糖尿病合併妊娠の場合は母体の安全を第一に考え、医師の管理に忠実に妊娠期を過ごすことを忘れないでください。

 

 

妊娠糖尿病と糖尿病合併妊娠についての体験談

 

うちは、代々糖尿病の家系なので、いずれ私も糖尿病になったらどうしようかと思っていました。でも、まさか妊娠を機に発症するなんて…。年齢もまだ35歳だし、健康診断も受けていたのに。体重も、それほど多くはなかったし、安心しきっていたんですね。妊娠って、やっぱり体にとっては大きな負担なのだと思います。
お医者さんと栄養士さんが、カロリーを制限した食事療法と運動療法のカリキュラムを組んでくれ、そのとおりに実行しました。1日の摂取カロリーを1,500kcal前後にまで落とすのは、はっきりいって地獄の苦しみでした。
でも、無事3,200gの男の子を出産。今のところ、私の体も大丈夫ですが、妊娠糖尿病になった人の約半数は将来糖尿病を再発するというし、今から食事と運動で血糖値を保つ努力を続けようと思っています。
私は、現在40歳の主婦です。糖尿病の家系なので、私も遺伝で糖尿病の持病を持っていました。年齢も年齢だし、子どもを持つことは半ばあきらめていたのですが、突然の妊娠。リスクが大きすぎるので、どうなるか不安でしたが、医師の指導のもとに出産を決意しました。絶対に安全な出産に持ち込みたかったため、仕事もやめ、教育入院をすることになりました。妊娠前は糖尿病の持病があってもついついお菓子に手を伸ばしたり、たまにお酒を飲んだりもしていましたが、入院ならこんな意志の弱い私でもきちんと管理してくれると思ったので、教育入院のシステムはありがたかったです。
出産は負担がかからないよう帝王切開で行いましたが、無事に女の子を出産できました。もうこれ以上子どもを増やすことはできないと思いますので、この子を大事に育ててきたいと思っています。現在糖尿病の人も、医師の指導に従っていれば無事に出産できるチャンスがあるので、出産を考えている人は早めに主治医に相談してみるとよいと思います。
<パパからのメッセージ>
妻が糖尿病を発症していたので、もう子どもはできないと思っていたのですが、妊娠。出産を迎えるまで妻の体が持つかどうかも心配だったし、無事出産出来るかどうかも心配でした。初めての子どもだし、妻はどうしても産みたいと一歩も引きません。でも、教育入院という方法でカロリー制限や運動療法を行えばなんとか無事出産できることを知り、妻を入院させることにしました。入院費は結構高くて出費が痛かったけど、ちゃんと無事に女の子を出産することができ大満足です。この子が健康に育つように、定期健診もかかさず食事にも気を使って育てていきたいと思っています。

(監修/天神尚子先生)

 

2015/07/14


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