【医師監修】妊娠糖尿病と糖尿病合併妊娠
妊娠糖尿病
妊娠糖尿病は、それまで糖尿病の症状がなかった人が妊娠をきっかけに発症するものです。妊娠糖尿病になると、妊娠高血圧症候群や羊水過多症、感染症などを引き起こしやすくなります。妊娠糖尿病は胎児へも影響します。
母体の血糖値が高いと、余分な糖が胎児に移行し、胎児も高血糖の状態となります。胎児に移行した糖は脂肪として蓄えられるため、巨大児が生まれる可能性も。巨大児になると自然分娩が難しく、帝王切開にならざるを得ない場合があります。妊娠糖尿病になった場合は出産後、正常に戻るとはいえ、約半数は10〜20年後にまた糖尿病を発症すると言われています。
妊娠糖尿病と診断された場合は、食事療法と運動療法によって血糖値を正常に保つよう調整することが大切です。医師の指導に従い、生活習慣の改善に努めましょう。
妊娠糖尿病の治療の一環としてインスリン注射をおこなう場合があります。インスリンは胎盤を通らないため、胎児に影響することなく母体の治療に役立つので安心して治療を受けてください。
糖尿病合併妊娠
糖尿病を発症していた人が妊娠したことを「糖尿病合併妊娠」と言い、妊娠をきっかけに糖尿病を発症した「妊娠糖尿病」と区別しています。母体が糖尿病を発症している場合、赤ちゃんは巨大児になることがありますが、重症の糖尿病の場合は低体重児で生まれてくることもあります。また、さまざまな感染症を引き起こしたり、妊娠高血圧症候群や羊水過多症を引き起こすこともあるので注意が必要です。
妊娠糖尿病は比較的軽症で済むため、食事療法と運動に気を付けていれば問題なく出産できるケースが多いのですが、糖尿病合併妊娠は重症になりやすいため、医師の管理の元で血糖値を保つための療法を厳密におこなわなければなりません。そのため、入院をして管理に努めなければならないことがありますが、母体と胎児を守るため、医師の指導に従ってください。糖尿病合併妊娠の場合は母体の安全を第1に考え、医師の指示を忠実に守って妊娠期を過ごすことを忘れないでください。
妊娠糖尿病と糖尿病合併妊娠についての体験談
お医者さんと栄養士さんが、カロリーを制限した食事療法と運動療法のカリキュラムを組んでくれ、そのとおりに実行しました。1日の摂取カロリーを1,500kcal前後にまで落とすのは、はっきり言って地獄の苦しみでした。
でも、無事3,200gの男の子を出産。今のところ、私の体も大丈夫ですが、妊娠糖尿病になった人の約半数は将来糖尿病を再発するというし、今から食事と運動で血糖値を保つ努力を続けようと思っています。
妻が糖尿病を発症していたので、もう子どもはできないと思っていたのですが、妊娠。出産を迎えるまで妻の体が持つかどうかも心配だったし、無事出産できるかどうかも心配でした。初めての子どもだし、妻はどうしても産みたいと一歩も引きません。でも、教育入院という方法でカロリー制限や運動療法をおこなえばなんとか無事出産できることを知り、妻を入院させることにしました。入院費は結構高くて出費が痛かったけど、ちゃんと無事に女の子を出産することができ、大満足です。この子が健康に育つように、定期健診もかかさず食事にも気をつかって育てていきたいと思っています。
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