【医師監修】出産後の職場復帰と子どもの預け先
出産直後は思いのほか体が衰弱しています。1週間ほどで退院したあともしばらくは疲れが続き、赤ちゃんのお世話も大変です。妊娠中から出産後の生活設計をきちんと考えておくと、いざというときにも慌てなくてすみます。
出産直後の協力者
里帰り出産の場合は実家のお母さんなどに協力してもらえるので安心ですが、最近は里帰りをしない人も多くなっています。産後すぐに協力してくれる人を妊娠中から確保しておきましょう。
産後1カ月くらいは心身ともにサポートしてくれる人がいたほうが安心です。できれば実家のお母さんなどに協力を得られればベストですが、遠距離等で難しい場合は夫に全面的に家事、育児を協力してもらえるように早くから夫婦2人で計画しておきましょう。夫が仕事等で忙しく、協力する時間が少ないという場合もありますので、話し合いを事前にきちんとしておくことが大切です。
地域とのコミュニケーション
今まで子どもがいなかった人は、近所や地域との付き合いが少なかったかもしれません。しかし、子どもが生まれると隣近所に迷惑をかけたりお世話になることが多くなるので、妊娠中から近所の人と少しずつ交流を深めていくとよいでしょう。せめて、両隣へのあいさつは早めにしておきましょう。
また、母親学級などを通じて地域のお母さん同士のつながりができますので、積極的に参加してみましょう。子どもの年が近いお母さん同士で交流を持つと、評判の小児科や保育園などの情報も得られます。こういった交流を通じて仲良くなっておくと、仕事の都合などでどうしても子どもを預かってもらいたいときにも協力し合うことができます。
そのほか、自治体の福祉課などの窓口や保健所、地域の子育て支援センターで子育てサークルの情報を得られることもありますので、足を向けてみてはどうでしょう。インターネットでも地域の子育てサークルを簡単に検索できますので利用してみるのもよいでしょう。地域の人との交流は何かと面倒なことも多いものですが、助けられる部分も多々あります。お付き合いには早めに慣れていきましょう。
出産後の職場復帰
職場の上司への報告は済ませましたか? まだなら妊娠3カ月目までには済ませておきましょう。報告するときに出産後働く意思があるかどうか、子どもは誰が面倒を見るのかなど、自分のプランを説明できるようにしておきましょう。どうするかまだわからないというあいまいな態度をとっていると、会社側も不安になります。法律的には妊娠、出産を理由に解雇することはできませんが、なるべく会社側の負担を減らすように配慮しましょう。
妊娠中期の後半以降は、母親学級や健診などのために時間がとられることが多くなりますので、早めに産前・産後休暇、育児休業期間の仕事の引継ぎのマニュアルを作っておくことをおすすめします。代行者への引継ぎをスムーズにおこなうために、マニュアルに従って実際に引継ぎ者と一緒に仕事を進めてみましょう。早めに引継ぎ体制を整えておくことでマニュアルの修正も可能ですし、引継ぎ者も仕事に慣れることができます。取引先などへのあいさつも早めにおこない、妊娠後期に入る前には引継ぎを確実におこなえるようにしておきましょう。
産前6週間前から(双子以上の場合は14週前から)産休に入りますが、前日までには社内の人にもあいさつをして取引先にもメールを送るなどしておきましょう。産休中にも仕事上の質問などに答えられるよう、メールアドレス、携帯電話などの連絡先を明確にしておきましょう。入院、出産時にも職場に一報入れておきましょう。休業中も時々こちらから仕事の進行などを確認する連絡を入れておくと、引継ぎ者も安心して仕事ができます。体が落ち着いてきたら仕事に関係ある資料にもマメに目を通しておきましょう。
復帰後は職場の人たちにきちんとあいさつをし、引継ぎのお礼を忘れずにしておきましょう。自分から積極的に今までの経過を聞き、仕事を進めていくようにしましょう。
子どもの預け先
ワーキングママの場合、出産後の子どもの預け先も悩みの1つです。出産後は育児に追われ、じっくり預け先を選ぶ時間がなかなかとれません。妊娠中から子どもの預け先をしっかり考えておくとよいでしょう。
保育園は大きく、国が定めた施設として最低の基準を満たし国や自治体から援助が支給される施設(認可)と、国が定めた基準を満たしていない施設(認可外)に分かれます。まず、市区町村の担当窓口で認可保育園の情報を仕入れるといいでしょう。自治体によっては、認可外保育園の情報も掲載されている場合もあります。
子どもの数の多い新興住宅地などでは、地域の保育園でも満員の状態のところが多く、子どもの受け入れに関しても申請から数カ月経ってからやっと返事がもらえることがあるので、職場復帰のときに慌てないように早めに確認しておくことも大切です。
ワーキングママの場合は時間の延長等にも応じやすく、0歳児の定員が多い認可外保育園が強い味方となってくれますが、一般的に保育料が高いのが悩みです。自治体からの補助を多少受けている施設もありますが、認可保育園に比べてはるかに割高です。認可外保育園には熱意で経営しているところや、利益を追求してサービスが充実していないところなどさまざまですので決める前に必ず見学することが大切です。
- 妊娠したら用意したいグッズ
- つわりのタイプと対処法
- 子宮外妊娠とは
- 妊娠中の薬の影響について
- 切迫流産について
- 切迫早産について
- 妊娠中の運動・スポーツ
- 妊娠中の腰痛と予防法
- 妊娠線の原因と予防法
- 妊娠高血圧症候群
- 出産直前の準備について
- 母乳育児の準備について
- 出産の方法
- 高齢出産について
- 妊娠糖尿病と糖尿病合併妊娠
- 里帰り出産について
- 自分に合った産院選び
- 妊娠・出産・育児期のお金と手当・助成
- 働く妊産婦、ママを支援する制度
- つらい夏を乗り切るコツ
- 職場でからだを守るには?
- 妊娠中の食事について
- 妊娠中の旅行について
- 電磁波、X線の影響について
- 妊娠中の飲み物について
- ペットを飼っても大丈夫?
- 妊娠中の歯の健康について
- 妊娠中の肌のトラブルについて
- 妊娠中の体重管理・食生活の見直し