【医師監修】妊娠線の原因と予防法
妊娠線は妊婦さんのおなかや胸、おしり、太ももなど脂肪のつきやすいところが、みみず腫れのようになる状態を指します。おなかが大きく目立ち始める妊娠8カ月目くらいから表れることが多いのですが、早い人では妊娠中期から出てきます。体質などにもよりますが、妊婦さんの6〜7割に見られます。
原因は、妊娠によりおなかや乳房が大きくなることで急激に皮膚が伸展し、亀裂ができることにあります。亀裂が入った部分の皮膚は伸びて薄くなるため、皮膚の下に毛細血管が透けて見え、赤っぽい波状の線として表れるのです。痛みなどはありませんが、触ると周囲の皮膚より少しへこんでいるのがわかります。
妊娠線が出やすいのは、一般的に太めの人と言われています。これは、皮下脂肪が厚いと皮下組織が伸びにくくなり、皮膚に亀裂が入りやすくなるためです。また、小柄な人やおなかの赤ちゃんが大きい人、双子の赤ちゃんがいる場合なども出やすいようです。おなかが前に出てくるタイプの人もその分皮膚が伸びるため、妊娠線が出やすくなります。
できてしまった妊娠線は残念ながら完全に消えることはありませんが、出産後徐々に薄くなり、産後3カ月くらいで白っぽく目立たなくなります。妊娠線ができてもおなかの赤ちゃんや母体に健康上の影響はないので特に心配する必要はありませんが、妊娠線のでき始めにかゆみが出ることがあります。かゆみが強い場合は医師に相談して、かゆみ止めの軟膏を処方してもらうといいでしょう。
妊娠線の予防
妊娠線を完全に防ぐ方法は残念ながらありません。一番の対策は、急激に体重を増やさないようにすることです。赤ちゃんともに日に日に大きくなっていくおなかに余分な脂肪が加われば、その分だけ皮膚が引き伸ばされて妊娠線ができやすくなってしまいます。特につわりも治まり安定期に入った安心感から、妊娠中期以降急に太り始める人もいるので要注意です。食生活&運動の2本立てで体重管理をしっかりおこなっていきましょう。
また、妊婦体操もおすすめです。無理のない範囲で毎日少しずつ続けていきましょう。同時に、マタニティスイミングやウォーキングなどの有酸素運動で脂肪を燃焼させることも大切です。
妊娠4〜5カ月ごろから、妊娠線予防のためのマッサージを習慣にするのもいいようです。新陳代謝がアップして皮膚が柔軟になり、ハリを保つことができます。バスタイムや入浴後に、おなかや太もも、胸などを下から上へ、中心から外側へとやさしくマッサージしましょう。できてしまった妊娠線を目立たなくする効果もあります。このほか、妊婦さん向けのボディケア化粧品もいろいろと市販されていますので、リラックスも兼ねて試してみるのもいいですね。
エッセンシャルオイルでマッサージ
必ず薄めて使いましょう。ベースオイル(ホホバオイルやオリーブオイルなど)99%に対して、エッセンシャルオイル1%が大原則です。エッセンシャルオイルの中では、肌の弾力性を高めるネロリオイルなどが妊娠線予防におすすめです。オイルの中には妊娠中に避けたほうがいい物もあるので、お店の人に相談してから使うようにしましょう。
妊娠線についての体験談
それまでは何ともなかったのに、妊娠35週に入ってからおなかとおしりに妊娠線が急に浮き出てきてびっくりしました。ピンクっぽい色で、それほど目立つ感じではありませんでしたが、出産後半年経った今も跡はわかります。妊娠30週くらいから、どんどんおなかが大きくなって体が重たく、つい運動不足になっていたのがよくなかったのかもしれませんね。
<パパからのメッセージ>
昨年生まれた息子は4,000gを超えていて、小柄な妻は妊娠後期には本当に大変そうでした。妊娠線も派手に出て、随分気にしていました。でも出産前は「あなたの家系が大き過ぎるせいだ」と怒っていましたが、出産後はぴたっと言わなくなりました。跡もほとんど目立たなくなったし、何より他の子に比べて息子の発育がいいのが自慢みたいです。
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