【医師監修】ブライダルチェックとは? 検査内容と費用について
ブライダルチェックとは正常な妊娠が可能なのか結婚前に受ける検査のことです。ブライダルチェックがおこなわれるようになった大きな理由として「晩婚化」ということがあげられます。そういった社会的背景から結婚後の不妊などに対する不安を払拭するために、女性側には妊娠の可能性があるか、男性側には妊娠させる能力があるかどうかをチェックする健診がおこなわれるようになってきたのです。今回はブライダルチェックの検査の受け方、検査内容、費用について解説します。
ブライダルチェックとは何?
現在、医療技術の進歩によって、おなかの中の赤ちゃんの様子や出生前の赤ちゃんの遺伝子的な異常の有無を確認することができるようになりました。そして、その前段階の、正常な妊娠が可能であるかどうかを検査することも可能となっています。このような結婚前に受ける検査を「ブライダルチェック」と言います。
ブライダルチェックの検査内容
女性がブライダルチェックを受ける場合には、全身の健康状態はもちろん、子宮や卵巣の状態、そして性感染症などについても検査します。内診などの検査もありますので、やはり一般的な内科よりは婦人科のほうが受診に適しているでしょう。
【検査内容】
◆問診
診察を受ける前に問診票(初経の年齢や毎月の生理やおりものの様子、月経痛や不正出血の有無、出血量、既往歴、これまで妊娠したことがあるかどうかなど)に記入します。その内容に沿って基本的な問診がおこなわれます。
◆診察
問診後に内診をおこないます。
はじめは視診によって、外性器などに見た目の異常がないかどうかを確認します。次に腟の状態を調べ、おりものの状態やポリープの有無を確認します。その際におりものや子宮頚管の分泌物を採取し、顕微鏡検査や培養検査をおこなって、淋病やクラミジア、そして腟カンジダ症や腟トリコモナス症などの性感染症を発症していないか、あるいは子宮頸がんの可能性はないかを検査します。そして内診によって腟や子宮に異常がないかを確認し、最後に経腟超音波検査で子宮や卵巣の状態をチェックします。
◆採血
血液検査では貧血の有無や肝臓や腎臓の機能が正常かどうかをみます。また風疹の抗体を持っているか、B型肝炎やC型肝炎、梅毒やHIVなどに感染していないかも検査します。さらに妊娠に関連するホルモンの値などもチェックします。
このように基本的には、問診→内診→血液検査という流れになります。なお、施設によっては乳がん検査などもおこなっているところもありますので、事前にどのような検査内容なのかを問い合わせておくと良いでしょう。
検査自体は1時間もかからずに終わりますが、一部の血液検査や培養検査などの結果が出るまでには1週間ほどかかります。その際に何らかの病気が見つかり、治療の必要性が出てくる場合もありますので、もしブライダルチェックを受けたいと思っているのなら結婚式の日程が決まった段階で早めに受診することをおすすめします。
ブライダルチェックの費用
ブライダルチェックで受ける検査は、保険適用外となります。費用は医療機関により違いがありますので、事前に確認をしましょう。
男性のブライダルチェックについて
ブライダルチェックは女性だけがおこなうものではありません。結婚後に不妊に悩んだ際には、まずは女性のほうからその原因を探っていく傾向にありますが、男性側の問題の場合もありますので、結婚前に男性もブライダルチェックを受けることも大切です。
血液検査や性器の視診などは女性の場合と同じですが、男性の場合は精子の状態を診る検査があります。メンズクリニックあるいは泌尿器科を選ぶと良いでしょう。
費用は事前に医療機関に問い合わせて確認をするのが良いでしょう。
まとめ
ブライダルチェックとは正常な妊娠が可能なのか結婚前に受ける検査のことです。結婚後、子どもをすぐに持つ予定がなくても病気の早期発見にもつながる機会ですので、検査を受けてみてはいかがでしょうか。
◆妊娠力診断
◆ブライダルチェックの体験談
ブライダルチェックについては結婚前から気にはなっていましたが、職場の異動や引越し、結婚式準備でバタバタしてしまったこともあり、結局受診しないまま入籍、結婚式をしました。
式から2カ月後にめでたく妊娠できましたが、1回目の受診で卵巣嚢腫の疑いを指摘されました。その後経過観察をするなかで、やはり治療が必要とのこと、妊娠の継続はできるからということで、安定期に入ったと同時に開腹手術をおこないました。
妊娠を喜んだのも束の間、手術をして最悪の結果になってしまったら、と、結婚が決まったときにブライダルチェックを受けなかったことを心底後悔しました。当初通っていたのは助産院だったので、手術のために総合病院へ転院となり、両家の家族に大変な心配をかけました。ブライダルチェックは、やはり大切だと思います。受診して何もなければ安心して妊活に励めると思うし、もし何かあっても、早期発見だと思うので。
Sachiさん
33歳で結婚が決まり、相手は24歳……。妊娠できなかったら確実に私の年齢のせいと思われると思い、ブライダルチェックをしようと思いました。ちょうど風疹も流行っていたので抗体があるのかどうか……を知りたくて。軽ーい気持ちで……と言いたいけれど、値段も病院によってまちまちだし決して安い料金ではないし……何より妊娠してないのに産婦人科に行くのは抵抗がありました。
悩んで女医さん(といってもおばあちゃん)のところを選び、勇気を振り絞って行きました。
エコー中に先生が、あれ??? と言いカーテンの裏でザワザワ……。不安マックスのときに、「大きな腫瘍があります」と言われて精密検査をする事に。
「筋腫・卵巣嚢腫・その他の腫瘍どれかわからない。妊娠よりもあなたの命に関わるかも」と言われ、そんなつもりで行ってなかったので、何が起きているのかわからずパニック状態。結果が出るまで2週間程泣きじゃくっていました。
結果は子宮筋腫。でも「10cmほどの大きな子宮筋腫なので、妊娠しにくい、もしくは妊娠しても流産する、または無事に赤ちゃんが育っても母体の命が危険」と言われました。
えーーー!!! どーすれば?? ということで大きな大学病院へ行くことになり、妊娠のための子宮筋腫切除の手術をすることになりました。
ブライダルチェックから手術までの間に挙式もありました。「子ども待っているぜー!!」の言葉もたくさんもらいました。笑って誤魔化すのが精一杯……。挙式後、新婚旅行へは行かず、数日後に入院して手術。初めての入院……手術……不安だらけだったけど、これを乗り越えれば妊娠できる! と思い頑張りました!!
筋腫は全部で5個あり、手術1カ月後から妊活オッケーが出ました。しばらくは妊娠しないと思うと先生に言われてたけど、1カ月後には生理が来ず、見事妊娠していました!!
今では二児の母です。おなかを一度切っているので2人とも帝王切開での出産となりました子宮筋腫の手術で手術室もみているし術後のつらさも経験してるので、またか…と思いつつもある程度構えることができました。
ブライダルチェックを受けなかったら、流産を繰り返していたかもしれない。年齢的に子どもを諦めていたかもしれない…と思いました。
最初の一歩。すごく勇気がいるのでできればパートナーも一緒に行ければベストなんだろうけど、受けてよかったと思っています。もっと、補助とかおりて受けやすい金額になったらもっと受ける人増えるんじゃないかなぁ? と思います。
ベビスケママさん
結婚後 ブライダルチェックをおこなっているという産婦人科に検査に行きました。性病やHIVの検査等もおこなってくれたので安心できました。
ななさん
入籍前にしっかりと検査し安心したいと思い、市のホームページで予定を調べて行きました。確か、問診があったと思います。その後検査をして後日結果を聞きに行きました。最初はちょっと恥ずかしいという気持ちもありましたが、しっかりと自分のことを調べるのは大切なことだと思います。無料で検査できてよかったです。
yuuさん
付き合っていた彼と結婚を意識したときに受けました。特に問題なく、お医者さんにも元気そうだから心配ないと言われ、なぜか泣きそうになりました。
おっちょんさん
女医さんがいる婦人科で、ブライダルチェックを受けました。特に問題は見つかりませんでした。「私、妊娠できますか?」と聞いたら、女医さんが「できるわよ〜!」とおっしゃっていただきましたが、ずっと子宝に恵まれませんでした。30代半ばで、なかなか授からない場合、ご夫婦揃って、一度は不妊外来で診ていただいたほうが良いと思います。
ラブさん
結婚が決まり、念のため受けました。正直こういう検査を受けた結果、妊娠できない体だったらと考えたらちょっと怖かったですが、受けてよかったです。自分のためにも、相手のためにも受けてください。
なおみさん
結婚決まってから、生理が若干重いこともありその相談も兼ねて、とりあえず……という感じで、婦人科系の検診へ行きました。女性の先生の婦人科を探して、その後も年に一度はがん検診へ行くように心がけています。
あっちママさん
結婚が決まってから、婦人科と乳腺外来を受診しました。どちらも以前から「行かないといけないなぁ」とは思いつつ、やはり恥ずかしさと面倒くささから足が遠のいていました。でもいい機会だし、と受診すると、病気が見つかりました。健診の大切さを思い知りました。自分の体は自分で守らないといけません。特に結婚となると子どものこともあるし、前にもまして健康でいなくてはなりません。ぜひ一度、気軽な気持ちで健診を受けてほしいです。
すなふきんさん