母親の手足口病感染が疑われ、赤ちゃんの世話が心配です
1歳の次男が手足口病にかかり、続いて3歳の長男もかかりました。長男の症状は軽く、発疹もきれいになくなりましたが、次男は体全身にでき、発疹のあとがかなり残っています。そんな中、私にも腕に3つ、足に2つ発疹ができ、熱は出ていませんが手足口病がうつったのではないかと思っています。さらに現在、生後1カ月の赤ちゃんを育てているのですが、手洗い、うがい、マスク着用で接すれば、赤ちゃんへの感染を防げますか? 赤ちゃんがいる部屋には、空気清浄機と室内用ウイルス除去剤(クレベリンゲル)を設置しています。手足口病のウイルスは体のどこから発せられるのでしょうか? 涙や汗、息の中にもウイルスはいるのでしょうか? 親の発症が疑われる場合、赤ちゃんに接する際の注意点などを教えていただきたいです。
手足口病の原因となるウイルスは数種類あり、その代表的なものが、「コクサッキーウイルスA6、A10、A16」「エンテロウイルス71」と呼ばれるものです。これらのウイルスは口の中や腸内で増殖するため、ウイルスに感染した人の鼻汁や便、咳やくしゃみなどにより、経口・飛沫などの経路で人から人へと感染します。感染を防ぐ対策は、手洗いや排泄物の適切処理による接触感染予防、マスクによる飛沫感染予防です。手足口病のウイルスは複数ありますので、そのすべてに罹り免疫を持っている大人はあまり多くはないと思います。したがって、質問のお母さんように子どもから感染する親御さんは珍しくありません。この理屈から言えば、生後1カ月の赤ちゃんが罹ってもおかしくないはずなのですが、小児科医30年の私でもまだ診察した経験はありません。個人的経験からの意見になりますが、生後1カ月の赤ちゃんが罹る可能性は低いのではないかと思います。また罹ったとしても、一般的に症状が軽いため、あまり深刻に構えなくてもよいと思います。赤ちゃんに接する際には、十分な手洗い、特にきょうだいのおむつを処理した後には念入りな手洗いをお願いします。また、マスクの着用も感染予防に有効です。