陰性だった風疹抗体が、症状もなく陽性に変わりました

陰性だった風疹抗体が、症状もなく陽性に変わりました

今まで風疹にかかったことはなく、予防接種もしていません。半年ほど前に一度妊娠し、抗体検査したところ、やはり8倍未満の抗体なしでした。その子は、残念ながらその月に流産してしまいました。そして再び妊娠して、現在妊娠5カ月です。先月、抗体検査をしたところ32倍で、「十分に免疫がある」と言われました。この5カ月間で、風疹の症状は見られませんでしたし、まして8倍未満の陰性から32倍に変わっていたので、この妊娠中に風疹にかかったのではないかと心配しています。しかし、妊娠中にかかった場合は異常な数値が出ると聞き、この数値はどういうことなのかと疑問に思っています。担当医から、「風疹の症状がなかったわけだし、現在は抗体があるんだから、気にしなくてもいい」と言われました。この5カ月間で陰性から陽性に変わったということは、妊娠中に風疹にかかった可能性が強いのでしょうか? 胎児に影響はないのでしょうか?

専門家の回答

風疹は感染後に2~3週の潜伏期間をおいて抗体価が上昇し始め、感染後3~4週で256~2,048倍の高値となり、その後の数カ月間はこの抗体価を維持し、長い年月をかけて徐々に低下していきます。妊娠前に抗体がなく、数カ月後に抗体ができているなら、その間に感染した可能性はあると思います。時間が経過し過ぎていると精度は低下しますが、とりあえず最近の感染かどうかをIgG、IgM抗体を測定して、検討されてはいかがかと思います。風疹の症状がなく感染したものを「不顕性感染」と言いますが、その場合の胎内感染率は5%程度と報告されています。羊水の風疹ウイルスを検出する方法もありますが、こちらは特別な施設でしかおこなっていません。

※質問に対する答えはあくまでも「参考意見」としてお読みください。個人によって症状や対策は異なります。また、詳しくは診察してみないと判断できない場合もあります。
この記事の回答者
監修者プロファイル

監修者天神 尚子(てんじんひさこ)先生
三鷹レディースクリニック院長

三楽病院産婦人科科長を勤めた後、2004年2月、三鷹レディースクリニックを開業。
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