水銀量が多いと言われる魚をたくさん食べていました
妊娠8カ月になる妊婦です。妊娠初期より偏りのない食事を心がけ、夕食の主菜を肉・魚交互に食べてきました。水銀量が多いと知ってはいましたが、一度くらい食べる分には問題ないと思い、小さめの金目鯛の煮付けを1匹食べた同じ週に、ブリの切り身の照り焼きも2度食べました。後日、水銀量が気になりインターネットで調べたところ、「特に注意のいらない魚」としてあげられていたブリも、サイトによっては「妊婦が控えるべき魚」に含まれており、心配になりました。注意の必要な魚を短期間に大量に食べたこと、また普段より魚を積極的に食べていたこともあり、胎児に水銀が蓄積されていないかと心配です。なお、主に食べていた魚はサケ、アジ、イワシ、サバ、サンマなどですが、たまに銀ダラ、サワラ、ムツなども食べていました。
私たちが平均的に摂取するメチル水銀は、約8割が魚介類の摂食に由来すると言われています。妊娠と水銀摂取の関係は、昭和30年代に熊本県水俣市で起きた公害病「水俣病」によって注目されるようになりました。この病気では、母体が摂食したメチル水銀が胎児に移行蓄積したことにより、胎児の中枢神経系の発達に影響し、発育不全、高度の知能障害、多動、視聴覚障害、奇形などのさまざまな症状が現れています。魚に蓄積されたメチル水銀量を考えると、1週間に100g以下の摂食がよいと言われています。厚生労働省では、妊婦はメカジキ、キンメダイ、クロマグロ、メバチマグロなどは、1回80g程度を週1回まで、キダイ、マカジキ、ユメカサゴ、ミマミマグロ、クロムツなどは、1回80g程度を週2回までと注意喚起しています(平成22年6月1日改訂「妊婦への魚介類の摂食と水銀に関する注意事項」による)。サンマ、イワシ、サバにはメチル水銀の濃度が低く、問題ないようですし、極端に偏食をしていなければ、大丈夫ではないかと思います。