橋本病は胎児に影響しますか?
妊娠が判明してから初の血液検査の結果が出たのですが、甲状腺刺激ホルモン(TSH)の値が高く、甲状腺ホルモン(FT3、FT4)は正常値でした。この結果、橋本病ではないかと診断されました。「サイロキシン」というホルモン剤を1日に半錠飲むよう言われ、今現在毎日飲んでおります。妊娠7週目から飲み始めたのですが、これを飲んでいると驚くようにつわりの症状が激減し、毎日調子がいいです。ただ、妊娠7週目から飲み始めたので、薬が効いてくるまでの間は、胎児へホルモンが十分に渡らなかったのではないかと毎日心配でなりません。インターネットなどで、橋本病の妊婦は流産のリスクが高く、出産後は子どもの知能障害のリスクも高いという情報を知り、落ち込んでいます。海外に住んでいるため、言語の問題でなかなか細かいことまで医師に聞くことができず、ぜひ、この場を借りて母国語でご意見を伺いたいと思います。
橋本病(慢性甲状腺炎)は甲状腺の自己免疫疾患で、発症のメカニズムは不明です。首の前の部分に腫れた感じ、違和感を覚えるのが代表的な症状です。橋本病の10%くらいの人が、甲状腺機能低下症を起こします。未治療の場合は、流早産、死産、胎内死亡などのリスクが高いですが、甲状腺機能のコントロールさえよければ、問題ありません。母体の甲状腺機能低下は、胎児の脳の発育に影響するため、子どもに知能低下が見られることもあります。妊娠6~7週から中枢神経系ができはじめますので、妊娠7週目から治療をすれば大丈夫でしょう。いずれにしても甲状腺専門医に診ていただき、しっかりフォローをしてください。自己免疫疾患は妊娠中より産後の増悪が激しいので、産後には特に気をつけましょう。