カナデは、友人から「夫は年下の若い子に弱い」と聞かされて以来、不安を打ち消そうと若作りに励んでいますが、夫はスマホに夢中で画面を見てはニヤニヤし、夫婦の会話も避けるようになっていました。
疑いと不安が限界に達したカナデが「私が何かした?」と問い詰めると、夫はいったん不機嫌になりますが、「大きなプロジェクトを任されて忙しく、スマホで進捗を確認しているだけ」と仕事の話を持ち出して弁解します。その説明を聞いたカナデは「最初から教えてくれればよかった」と思いつつ安心し、「無理しないでね」と夫を気づかい、明日は夫のために少し奮発した食事を用意しようと考えながら眠りにつきます。
しかしそのそばで、夫は意味ありげにニヤっと笑いながら、再びスマホを見つめ続けているのでした。
久々に早く帰ってきた夫がブチ切れたワケ








数日後、夫は日付が変わっても帰宅しませんでした。そして、家に帰ってきたのは早朝のことでした。
連絡もなかったことから、カナデは心配になりました。
「ちゃんと休憩はとれてる? ご飯は食べてるの?」
夫は朝ごはんは食べずに、「しばらく帰れないから、食事の準備はいいよ」と言って、またすぐに出かけて行きました。
何日も外に泊まり込み、家にいる時間といえばシャワーと着替えのみ。食事はいいと言われても、カナデはどうしても夫のために用意してしまいます。
そんなある日、めずらしく夫が早い時間に帰宅しました。
カナデはうれしくなり、仕事のこと、近所に新しくできたカフェのこと、週末の予定のことなど、次々と話し始めました。話が止まりません。
それを聞いていた夫は、突然言いました。夫はイラッとした様子でため息をつきました。
◇ ◇ ◇
仕事で忙しい夫を支えたい。カナデさんの、夫を大切に思うからこそ生まれるやさしい気持ちには共感される方も少なくないのではないでしょうか。けれども、カナデさんは夫のために時間を使い、気持ちを注いでいるのに、夫からの感謝の言葉はありません。それどころか、久しぶりに話せる時間に「その話、今じゃなきゃダメ?」と冷たく返されてしまいました。
どんなに忙しくても、パートナーの気遣いに「ありがとう」の一言を伝えることはできるはず。そして、相手が話したい気持ちを受け止める余裕を持つことも、夫婦が信頼関係を築くのに必要なことだと気づかされます。
相手を支えることは素晴らしいことですが、自分の気持ちや時間を犠牲にしすぎていないか、振り返ることも大切です。パートナーシップは、一方的な献身ではなく、お互いを思いやる双方向のもの。パートナーを大切にするように、私たち自身の時間や楽しみも、同じくらい大切にしたいですね。
加藤 かと