仲良しのお友だち
娘が年長クラスだったころ、年中クラスのときから大の仲良しだったお友だちがいました。幼稚園では何をするにもそのお友だちと一緒で、帰宅後や休みの日はお互いの家で遊ぶことも。
娘とそのお友だちは学区が違ったため、小学校は別々になることがわかっていましたが、卒園までは毎日一緒に遊べるはずでした。ところが、あと半年で卒園というときに、夫の転勤辞令が! 引っ越しと転園をすることになってしまったのです。
娘の反応は…
娘に引っ越すことを伝えると、最初は新しい街や新しい家へ行けることに喜んでいました。しかし、お友だちとお別れしなければならないとわかると、「お引っ越ししたくない」「○○ちゃんとお別れしたくない」と言うように。
その後も、新居や転園先を探すときは楽しそうにしているものの、急にお別れが寂しくなって落ち込み泣いてしまうなど、娘は情緒不安定気味になっていきました。泣きながら怒って私をたたいたり、おもちゃなどを投げつけて物にあたったりする日もありました。
引っ越しまでにしたこと
私は娘の様子を見て、転勤族でごめんねと申し訳ない気持ちになり、なるべく娘がスムーズにお友だちとお別れできるようにサポートをしようと思いました。まず、楽しみにしていた幼稚園の行事に参加できるよう、当初の予定より引っ越しの日を延期。そして、お友だちのお母さんにも早めに引っ越すことを伝え、その日までたくさん一緒に遊ばせてあげようと協力してもらうことに。
お友だちの家や、普段はあまり利用しない延長保育で、たっぷり遊んでもらいました。娘はとてもうれしそうにしていて、私は引っ越し作業がはかどるし一石二鳥。家で遊ばせてくれたり、一緒に延長保育を利用してくれたり、協力してくれたお友だちのお母さんには、感謝の気持ちでいっぱいでした。
その後、幼稚園でのお別れ会や、プレゼントや手紙の交換をしたことで、娘は少しずつお別れすることを受け入れていったようでした。新しい街では、幸いすぐにお友だちもできて元気に暮らしていますが、たまに「○○ちゃん元気かなぁ」と少し寂しそうに話すことも。これからも同じように誰かとお別れをすることがあるかもしれませんが、一緒に乗り越えて娘の成長を見守りたいと思います。
著者:斉藤 ひかり/6歳女児、3歳男児の母。転勤族。結婚前に音楽業界で働いていた経験を生かし、主に音楽・エンタメ・子育て関連の記事を執筆中。
イラスト:miyuka
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています。