パパ見知りになってしまった息子
本来なら私と息子も夫のあとを追ってすぐにでも日本を出国したかったのですが、コロナ禍の影響で入国手続きがうまく進まず、夫と離れてから数カ月が過ぎました。やっと夫に再開できたときには、ハイハイをしていた息子も歩けるようになり、自分の意思をしっかり伝えられるまでに成長していました。
夫は息子を溺愛しているため、久しぶりに会えたことに感激して抱っこをしたがっていましたが、息子は全力で拒否。のけぞりながらしばらく大泣きして物を投げる、私の顔を叩くなど夫との距離感に困惑していました。
ギャン泣きされた夫の心が折れる
もともと息子はパパ大好きっ子。日本で生活していたころは、キャッキャッと楽しそうに夫と一緒にお風呂に入っていました。夫が仕事から帰宅すると高速ハイハイでお出迎えするなど、2人は相思相愛だったのです。
夫と離れて暮らしていた期間、息子がパパのことを忘れないようにとビデオ通話をよくしていました。しかし、効果はあまりなかったようで、息子はしばらく夫と目を合わせることも嫌がりました。特に夫と2人きりの空間になるお風呂を息子は全力で拒否。
夫と話し合い、息子が慣れるまでは私がお風呂を担当することにしました。そして、家族一緒に暮らすようになって2カ月後には、息子のパパ見知りはすっかり直ったのでした。
嫌がる夫を説得
「〇〇くん(息子)もすっかりパパに慣れてきたし、そろそろ一緒にお風呂に入ったら?」と夫に聞くと、「泣くから嫌だ。対処方法がわからない」と今度は夫が息子とのお風呂を拒否。そして夫は泣かれるのがトラウマになり、息子を避けるようになってしまったのです。息子にギャン泣きされてしまった夫を気の毒にも思いましたが、育児に協力してくれなくなったことに私はイライラ。何度言っても夫は息子とお風呂に入ろうとしないので、夫婦喧嘩になることも。
家族みんなで暮らせるようになったのに、夫と息子の距離が開いたままではいけないと強く感じ、「このまま拒否していると、〇〇くんはもうパパとお風呂だけじゃなく一緒に何もしてくれなくなるよ。手遅れになる前にもっと関わろうとして」と夫を説得。すると夫は「それは嫌だ……」と深刻そうに呟き、息子とのお風呂を決意。すると息子は意外にもすんなりパパとお風呂に入ってくれて楽しそうでした。
夫は息子と一緒にお風呂に入れるようになってから、仕事が休みの日は必ず息子とお風呂に入り、男2人でのコミュニケーションを大事にしています。息子にギャン泣きされる歯磨きもお願いするとしてくれるようになりました。あの日を境に少しずつですが、夫は息子のパパとして頑張ってくれています。
著者:米久 熊代/30代女性・主婦/1歳男児の母。人材会社や人事の仕事を経験し、夫の転勤を機に退職。現在はフリーランスとして前職関係の仕事とライターをしながら、プレママ・新米ママ向けブログを運営中。
イラスト:山口がたこ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています