妊娠中から娘を溺愛していたパパ
夫と結婚してから5年、待望の長女が生まれました。妊娠中から娘を溺愛していて、私が出かけるときは、おなかの赤ちゃんと離れるのをさみしがっていたくらいです。生まれてからはもちろん、自営業で多忙のなかでも、在宅ワークなのをいいことにちょくちょく休憩を入れては、娘を眺めていました。
私も娘がかわいくて仕方がなかったので、親バカ対決のようなことをしていた覚えがあります。娘の初めての寝返りやハイハイなど、成長の喜びも共有していました。夫との付き合いは学生のころからだったこともあり、私はすっかり、娘に対する気持ちは夫も私も同じ、と思い込んでいたのです。
幼稚園へ入園して委員に立候補
娘が幼稚園へ入園してすぐの保護者会で、委員を決めることになりました。人見知りな性格なので勇気がいりましたが、思い切って立候補しました。というのも、なかなか決まらない空気に耐えかねて、思わず手を挙げてしまったのです。しかし、立候補したことを後悔はしていませんでした。委員をすればわが子の園での様子がよくわかる、と聞いていたからです。
大変なときもあるかもしれないけれど、園での娘の様子を報告できるし、夫も応援してくれるだろうと思っていました。ところが、委員になったことを伝えたとき、夫はいい反応をしませんでした。
委員としての時間が家事に影響するように
委員の会議や作業は基本的には保育中でしたが、時期によっては家での作業が発生することもありました。委員をやるからにはしっかり役に立ちたい! と思う私は、力が入りすぎてしまうこともあったかもしれません。
ただでさえ、娘を幼稚園に預けているときに帰宅できない日は、家事が滞りがちなのですが、娘の寝たあとなど、普段なら残りの家事をする時間に委員の作業をしてしまうこともありました。しかし、今は仕方がない。それが娘のため、ひいては娘を溺愛している夫のためでもある、と思っていたのです。
習い事のお手伝いも引き受けたら……
そんなある日、娘を習い事に送っていったところ、発表会の当日楽屋でお手伝いをしてくれる保護者が足りなくて先生が困っているという話を聞きました。このお手伝いも、娘の様子を間近で見られるというもの。もともと困っている人を放っておけない性格である私は、「よかったらやりますよ」と申し出ました。
それを夫に伝えたところ、急に不機嫌になり、「これ以上やるの?」と言ったのです。それまで口に出して言われなかったので気づかなかったのですが、ここのところ家事が疎かになりがちなことを、夫は不満に思っていたようでした。
私は、育児に関することを頑張ることは夫のためでもあると思っていて、ワンオペ育児で家事も育児もすべて任されていたので、多少好きにやらせてもらってもいいだろうと思っていました。しかし、育児に関する考え方はパパとママでは全然違うということに気づかされました。これからは、小さなことでもきちんと話し合ってから決めようと反省した出来事です。
著者:坂井香子
おだやかな娘とわんぱくな息子の母。自身の体験をもとに、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。