たばこを吸っていた彼が私のために…
大学のサークルで同期として出会った私と彼。第一印象はあまりよくありませんでした。というのも、私はたばこが苦手なのですが、彼が喫煙者だったからです。飲み会で少し吸う程度の喫煙ではありましたが、私はたばこのにおいがどうしても苦手で、たばこのにおいがしているときは近寄らないようにしていたほどでした。
グループで何度も遊ぶ中で、彼の人となりを知り、印象はだんだんよくなりましたが、たばこを吸っていることに対しては相容れないなぁ……という気持ちでした。
そんなある日、彼から告白をされ私たちは付き合うことに。当時、私と会うときにはたばこを吸わないようにしてくれていた彼ですが、それでも喫煙者との交際には抵抗がありました。
彼はそんな私の気持ちを読み取ってくれ、「君と付き合うなら禁煙する!」と誓ってくれたのです。それから本当に一度も吸わず、私のために禁煙をしてくれた彼に感動し、ますます好きになりました。
結婚して半年後、彼の同僚から驚きの言葉!
その後、私たちは結婚し、結婚生活も半年が経ったころ、彼の同僚を交えて飲みに行く機会がありました。同僚は、飲みの席でたばこを取り出し……衝撃の言葉を口にしたのです。彼に向かって、「あれ、今日は吸わないの?」と。
その言葉に、急に焦り出してごまかし始めた彼。私は思わず顔がこわばりましたが、その場は笑ってごまかしました。
帰宅してから、夫に聞くと、飲み会ですすめられたときに時々吸っていたとのこと。約束通り禁煙してくれたと信じていた私は悲しくて、泣きながら「約束を守れない人とは生活できない」と気持ちをぶつけ、しばらく距離を置きたいと実家へ帰ることにしました。
許せなかったのは、相談もなく「約束を破った」こと
私は2、3日実家で過ごし、お互いに冷静になったころに自宅へ戻って、話し合いの場を設けました。実家で過ごすうちに、私は「彼がたばこを吸った」ということよりも、相談もなく「約束を破ってまで喫煙していた」ことが許せないのだと気づき、その気持ちをそのまま話しました。
すると、彼は「軽い気持ちで吸ってしまっていた。もう悲しませるようなことはしないと誓います」と、反省を真剣に伝えてくれたのです。
その言葉で私の怒りは収まったのですが、「約束を破る」ということは、今後の夫婦生活においても大きな問題だと思った私は、もう二度とこんなことしたら許さないぞ!という気持ちをわかってもらうため、きっちり書面で約束してもらうことにしました。
A4のコピー用紙に手書きで「喫煙しないと誓います」と書き、サインしてもらったのです。
自分にとって大切なことが、相手に伝わっていなかったすれ違いから起こった喧嘩でしたが、喧嘩したからこそ自分の気持ちをちゃんと理解してもらえたのかなとも思います。もし万が一、また約束を破られたときには、この紙を見せてしっかり反省してもらおうと思います。
著者/上野万里
イラスト/マメ美
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