幼稚園の発表会での出来事
息子が通う幼稚園では年に1回、クラスごとに練習したお遊戯を披露する発表会があります。もちろん発表会は保護者も観覧できます。普段はなかなか幼稚園に行かない私は、息子の成長を見られる機会を楽しみにしていました。息子の発表が終わって教室に戻り、最後にクラス全体で記念撮影をすることになりました。
この記念撮影には、幼稚園側から「トラブル防止などの観点から、各自で撮影をお願いいたします」と、ルールが定められていました。保護者たちは、自分の子どもがしっかり撮れる場所で、カメラやスマホを構えて準備万全でした。
園のルールもクラス委員も無視して仕切るママ
クラス全体での記念撮影のときに1人のママが声をあげました。「私から提案があります! みなさんがそれぞれの場所から撮影をしたら子どもたちの目線が定まりませんでしょう? でしたら私が代表して撮影して、あとでメールで皆さんに送ります。どうでしょう?」と言うのです。
突然の提案にカメラを構えていた保護者たちはザワつきました。一応クラス委員さんが「でも園で決められた方法は各自で撮影ということなので、目線は合わないかもしれませんが、それぞれで撮影をお願いします」と言いました。それにも関わらず、そのママは「私が代表してお撮りしますね! みなさんいいですか?」と、あろうことかその場を押し切ってしまったのです。
これがボスママってやつ!?
クラス委員さんが「でも園で決められた方法は……」と忠告したのにもかかわらずそのママが撮影を押し切ったのには、取り巻きママの存在がありました。代表して写真を撮ると言ったママの周りには数人の取り巻きがいて、「ぜひ撮ってください〜!」「それで賛成〜!」とあからさまな“よいしょ”をしていたのです。
その言葉を受けて、「ね、みなさんも私の意見に賛成ですよね!?」と強引に話を進めていってしまったのです。これではクラス委員さんも立場がありません。「うわ〜、これがボスママってやつか!」と、私は目の前でくり広げられている出来事にドン引きしてしまいました。
結局、発表会後の記念撮影はボスママが代表しておこないました。そこに時間を割いたのでもちろん各自で撮影する時間はありませんでした。「うん、完璧! 写真はクラスメールに送りますね! 待っててください」と、満足気味にその場をあとにしたボスママ。その後、実際に送られてきた写真は、子どもたち全員が正面を向いた良い写真ではありました。集合写真としては確かに1人が撮影した方が早いし、良い写真が撮れるのかもしれません。でもやはり、園のルールを無視したり、クラス委員の人が注意しているのに押し切ったりするのはどうかと思います。私は今後、あのボスママには関わらないようにしようと強く誓いました。
イラストレーター/まっふ
著者:小山田ちよえ
2男1女の母、アラフォー主婦。夫の仕事が忙しく平日はワンオペ育児に奮闘中。チョコレートとパンが大好き。復職に向けて資格取得を目指している。