早く帰りたくて…
私は以前、毎日電車に乗って通勤していました。その日は生理2日目で、一番経血が多い日。体が重く、生理痛もあり鎮痛薬を飲んで仕事をしていました。
生理中は、仕事の合間でこまめにトイレへ行き、念のためにと帰る前もトイレに行ってナプキンを交換するようにしていました。ところがその日は、疲れていて早く帰りたい気持ちがあり、「まぁ大丈夫だろう」とトイレに寄らず帰ることに。
窓越しの視線
帰りの電車内は比較的空いていて座る席もあったのですが、乗車時間が短い私は、すぐ降りられるようにドアのほうを向いて立っていました。すると、ドアの窓越しに、私の後ろで席に座っている中年の男性からの視線を感じたのです。
しかも下半身のほうをジロジロと……。気づかないふりをしてそのまま立っていましたが、しばらくしてまたチラッとドアの窓越しに見ると、まだその人はこちらを見ていました。
確実に知り合いではありません。そして、イヤホンなど音が出るものも持っているわけでもなく、迷惑はかけていないはず。まさか……狙われている!?と私は恐怖を感じました。
急いで帰ってトイレへ。すると…!?
電車が降りる駅に到着し、私は急ぎ足で階段や改札を通り抜けました。
しかし安心したのも束の間、家に帰り、私はトイレの中で「えー! なんで!?」と叫んでしまいました。
ナプキンがずれて経血が漏れ、スカートまで染みていたのです。その日に限って薄い水色のスカートをはいていたので、経血の赤い色がとても目立っていました。あのおじさんはそれでこちらを見ていたのか、と私はそのとき気づき、恥ずかしくて仕方ありませんでした。
どの時点から経血が漏れていたのかわかりませんが、スカートが汚れたまま電車に乗り、家まで歩いていたのかと思うと、どうして退勤際にトイレに寄らなかったのか、どうして帰るまで気づかなかったのかと後悔し泣きたくなりました。
しかも、時間が経ってしまったためか、経血はなかなか落ちませんでした。ごしごしと洗っているうちに生地が傷んでしまい、その水色のスカートは外にはいていけない状態になってしまったのです。反省すると共に、それ以来、生理中は薄い色のボトムスは絶対はかないよう心に決めました。
著者/斉藤ひかり
イラスト/おんたま
監修/助産師 松田玲子
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