楽しい絵本の時間に響く「ビリッ」
現在私は、小学3年生と年長、2歳児の母をしています。一番上の子が小さいころから2週間に1度、図書館で絵本を借りてくるのを習慣にしていました。未っ子の2歳児は、上の2人よりも絵本に興味があるようです。
寝る前に1冊は必ず読もうと決めている絵本の時間以外にも、よく絵本を読んでいました。その日も、未っ子を膝の上に乗せて図書館で借りてきた本を読んでいました。何度も繰り返し読んでいた絵本なので、他のページが見たい様子。私が次のページへめくろうとしたそのとき、「ビリッ」という音が……。
こんなとき、どうしたらいいの!?
未っ子が力強く握りしめているのは、本の中心から切り取られてしまった絵本の1ページ。切り取られてしまった絵本の1ページをすぐに取り返し、上の子たち2人のときには遭遇しなかった状況にアタフタする私。「もしかしたら弁償かもしれない」と、まずは検索することに。
検索してわかったのは、破れてしまった絵本は、セロハンテープなどで補修せず、そのままの状態で図書館へ持って行くとのことでした。絵本の補修にセロハンテープを使用すると劣化してしまうので、特殊なテープを使用するようです。「補修できない状態の場合には、弁償を求められることもある」という情報をもとに、まずはそのままの状態で謝罪しに行きました。
職員さんの予想外の言葉に「ホッ」
破いてしまったその日に、絵本を図書館へ持ち込み「すみません、子どもが破いてしまって」と職員さんへ正直に破いてしまったことを謝りました。職員さんがパラパラと全体を確認すると、にこやかに顔を上げて「直せる範囲なので大丈夫ですよ。次からは気をつけてくださいね」と言った後「テープを貼ってそのままお返しになる方もいるので、申し出てくださって助かります」と逆にお礼を言われてしまう始末。
私は、予想外の展開にホッとしたと同時に、改めて子どもたちに本を大切に扱うことを教えなければと反省しました。借りていた絵本を破いてしまった手前、また借りて帰るのはどうかと思い、そのまま帰ろうとした私に「どうかお気になさらず、また来てください」と職員さんが声をかけてくださったことにも驚きました。
もちろん、補修できない場合や、水濡れ、落書きなどは弁償の対象になるそうです。今回はたまたま補修できる範囲だったので弁償には至りませんでしたが、大切なのは、もし破いたり汚したりしてしまったときは、ごまかさず正直に謝ること。そして、本を大切に扱うことを子どもにしっかり伝えることだと改めて感じる出来事でした。
著者:安藤 はるか
小3、年長の男の子と2歳の女の子のママ。カラーセラピストとしてお悩み相談のサービスを運用中。