通りすがりに「かわいそう」
私は子どもにかけられる「かわいそう」という言葉が、どうしても気になってしまいます。初めて「かわいそう」と言われたのは、息子が生後5カ月のころ。8月の暑い日でした。13時からの保育園の見学のためにベビーカーを押して歩いていると、前から歩いてきた高齢の男性に「こんな暑いときにかわいそうに」と言われました。
私は、周囲から子どもにかわいそうなことをする親のように見えるのかとショックだったことを覚えています。
また別の日。雨の中、傘をさして1歳の娘を連れてお店の列に並んでいると、「雨が降ってるのにかわいそうに」という高齢の女性の声が。
さらにある2月の寒い日の商店街で。1歳半になった娘が靴下を何度履かせても嫌がるので、あきらめて素足の状態で抱っこしていました。すると通りすがりの年配女性が突然、娘の足をつかみ「こんなに冷たい足になってかわいそうに」と……。
引っかかる一言も良いように解釈!
子どもについて「かわいそう」と言われるたびに、私が親として至らないのだろうか?と責められる気持ちに陥ってしまいます。この経験を近所のママ友に話したところ、私と同じように声をかけられて、傷ついたことがあると聞きました。
そこで私は、通りすがりにかけられる「かわいそう」という一言は、地域の人と親しみやすい下町だからこそかけられる言葉なのかもしれない、とプラスに解釈することにしたのです。
「かわいそう」という言葉は、きっと声をかけた人なりに、子どものことを考えての発言なのだと、良いように受け取りつつ、自分の何気ない言動には気を付けていこうと思っています。
作画/キヨ
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著者:境まいこ
おちゃめな4歳男児と声が大きい1歳女児を育てるナースママ。ライターとしてさまざまなジャンルの記事を執筆している。