義祖母がどんどん嫌いになった日々
当初、右も左もわからない私にいろいろ教えてくれたのが義祖母です。義祖母はおしゃべりな人で、最初はありがたかったのですが、もともと内向的な私は私生活にぐいぐい踏み込まれている気がして嫌な気持ちが増えていきました。
また、洗濯物を干す向きが悪いとか、妊娠中はあれをするなとか古い価値観であれこれうるさく、口を開けば田舎特有の噂話や悪口ばかりで、なんだか相手をするのにも疲れてしまいました。私は次第に必要以上の会話はしなくなり、義祖母を避けるようになってしまったのです。
息子が生まれると、さらに関係は悪化
息子が生まれてからは、さらに義祖母と関わるのが嫌になりました。息子の泣き声がしただけで見にこようとしたり、畑仕事のあとなどの手もしっかり洗わないまま息子に触ろうとしたり……。さらに、大量の物を溜め込む不衛生な自室から持ってきた、賞味期限が数年前の食べ物を息子にあげようとするなど、やめてほしいことが増えていきました。
今思えば、はっきり伝えたら何か変わったかもしれません。でも同居など生活すべてに嫌気がさしていた私は、冷たい態度で暗に示すことしかできなかったのです。
老人ホームに行ったのは私のせい?
義祖父が亡くなり、第2子が誕生してしばらく経ったある日、義祖母が老人ホームに入ると言い出しました。家族は止めようとしましたが、義祖母の決意は固く、「未来あるお前たちのために家をあけるよ」というようなかっこいい台詞を残して出て行ったそうです。
ずっと悪いことをしているという罪悪感があったので、私は義祖母を見送ることができませんでした。後に「おばあが出て行ったのはお前のせいだ」と夫に責められたときも、何も言い返せませんでした。
現在、老人ホームに行った義祖母は、仲間に囲まれて楽しく暮らしています。私も義祖母がたまに帰ってきたときには、ひ孫と存分にふれあってもらったり、月に1度「ひ孫新聞」を作り近況報告をしたりするようになりました。義祖母にしてしまったことが消えるわけではありませんが、元気な姿を見るだけで少し救われる気がします。
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著者:やましたくるみ
2男2女の母。結婚を機に田舎に移り住み、のんびり子育てを楽しみながら、自身の体験談を中心に執筆中。