エスカレーターは、ショッピングセンターや駅などの施設内の移動に大変便利な設備です。ほとんどの場合、エレベーターよりも設置場所が多く、待ち時間が短いことが魅力と言えるでしょう。しかし、ベビーカーでの利用は「正しい乗り方をしないと危険な状況が起こり、死亡または重傷を受ける可能性があるもの」として“禁止”行為になっています。それはエスカレーター特有の理由によって、危険性が高まるためなのです。
ベビーカーが関連したエスカレーターの事故事例
ベビーカーでエスカレーターを利用することは、大変危険な行為です。もちろんエスカレーターの乗り口付近にも注意書きが必ずあります。しかしながら消費者庁には、ベビーカーに子どもを乗せたままエスカレーターを利用したことによる事故情報が寄せられています。実際の事故例を見てみましょう。
「ベビーカーに子どもを乗せたまま下りエスカレーターに乗ったところ、子どもが前に放り出され10~15段下に転落した。」(3歳)
子ども安全メール from 消費者庁から引用
当事者以外にも危害が及ぶ可能性がある!
ベビーカー使用時のエスカレーターの利用は、ベビーカーに乗せた子どもやその保護者が怪我をするだけではなく周囲の人にも危害が及ぶ可能性があり、非常に危険な行為です。消費者庁にも、以下のようなケースが報告されています。
「他の客のベビーカーが上りエスカレーターに引っかかり緊急停止したため、自分と子どもが前のめりになって首や背中を痛めた」(年齢不明)
子ども安全メール from 消費者庁から引用
エスカレーターには作動時の危険を防止するために、非常停止させる安全装置が設置されています。上記のケースでは、エスカレーターの乗降口に異物が挟まることで作動する安全装置が異常を検出し、緊急停止したと考えられます。
エスカレーターではベビーカーを使用しない!
ベビーカーのエスカレーターへの乗り入れは非常に危険です。タイヤがうまく乗らずにバランスを崩すと、ベビーカーの重さを支えきれずに転倒する恐れがあります。エスカレーターを利用する場合にはベビーカーを折りたたみ、子どもは抱っこします。ベビーカーに子どもではなく荷物を載せている場合も転倒の可能性があるので危険です。ましてやベビーカーに子どもを乗せたままの利用は言語道断!
ベビーカーで移動する場合は、エレベーターなどを利用しましょう。エレベーターがない場合には、駅員さんや店員さんなどに補助してもらえることもあります。無理せず、声をかけてみてください。
ベビーカーでのエスカレーター利用はわが子のみならず、周囲の人をも危険にさらすことがあり大変危険な行為です。絶対にやめましょう! 少し面倒でもエレベーターを利用したり、店員さんなどに声をかけたりするなど、危険回避の行動を心がけてくださいね。
<参考>
子ども安全メール from 消費者庁「Vol.412ベビーカーに子どもを乗せたままエスカレーターを利用しないで!」
監修/助産師REIKO