第一印象はクールなイマドキ男子
出産して5カ月が経過し、子連れでの外出にもだいぶ慣れてきた私は、娘も一緒に連れていけるトレーニングジムを探していました。「完全個室、子連れ可」のジムを見つけ、私は早速、娘を連れて体験へ。
私たちを出迎えてくれたのは、ピンクの髪色をしたガタイのいい男性のトレーナーさん。普段の私の生活では関わることのないタイプの男性が現れてびっくりしながらも、トレーニング体験を終えました。トレーナーさんはベビーカーで待つ娘について特に触れることもなく、淡々とジムについて説明していました。
いつもギャン泣きの娘が……
その後、私はそのジムに週1回通うことにしました。毎回娘もベビーカーで連れて行っていたのですが、生後5カ月で人見知りや場所見知りがあった娘は、毎回ギャン泣きで大騒ぎ。新しいおもちゃを渡してみたり、育児用ミルクを飲ませたりといろいろ手を尽くしましたが、娘はなかなか慣れてくれません。
そして、ジムに通い始めて数カ月が経った日のことです。私が別室でトレーニングウェアに着替えている間、いつもはギャン泣きの娘の声が、その日は聞こえませんでした。私が別室から戻ると、トレーナーさんが娘のそばからサッと離れる様子が見えました。ニコニコとトレーナーさんを目で追う娘。どうやら、トレーナーさんが娘をあやしてくれていたようでした。
次第に仲良くなっていく2人
そこからトレーナーさんと娘の距離が徐々に近づいていきました。最初は私も自分のトレーニングに夢中で気づかなかったのですが、鏡越しに後ろを見てみると、変顔や奇妙なダンスで娘をあやすトレーナーさんの姿が! 娘も完全に心を開いたようで、得意の「いないいないばあ」を披露していました。
あるときは、私がトレーニングの途中で休憩をしていると、トレーナーさんが急いで娘のそばに行き、「かわいいなぁ」とつぶやいていました。最初は「ピンク髪のクールなイマドキ男子」だったトレーナーさんの印象も、いつの間にか「娘にデレデレな子ども大好き男子」に変わっていったのです。
今では、私以上に娘のほうがトレーニングジムに行くことを楽しみにしているように思います。トレーナーさんも、娘と会うことを毎回楽しみにしてくれているようです。自分の用事に娘を付き合わせることに、少し罪悪感を抱いていた私でしたが、楽しそうな娘とトレーナーさんのやりとりを見て安心しました。
著者:渡辺まゆり/女性・会社員。2021年生まれの女の子のママ。幼児教室に勤務。介護福祉士、FP3級の資格あり。
作画:こちょれーと
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています