娘との約束を守らない夫
娘は幼稚園のお友だちの影響もあり、スマホに興味を持つようになりました。
そして、私が家事で手が離せないときや、出先のちょっとした時間に、私や夫のスマホを使って子ども向けのスマホゲームをするようになったのです。
ある日、「今度パパにもゲーム教えてあげたい!」と言い出した娘。夫に伝えると、「日曜日に時間をとるよ」と約束してくれ、娘も楽しみにしていました。
しかし、当日になると夫は「急にゴルフの予定が入った」と一方的にキャンセル。翌週も「仕事が入った」と断られ、娘はがっかり。
さすがに私も、「少しは娘の気持ちを考えて、週末くらい遊ぶ時間を作って」と夫に伝えましたが、「今は本当に忙しいんだ」と取り合ってもらえませんでした。
スマホから聞こえた声に凍りつく
ある週末の朝、私はリビングで洗濯物をたたんでいました。夫は寝室でまだ寝ており、娘は静かにタブレットを触っていると思っていたのですが、ふと見ると、夫のスマホを手にして何かの動画を再生していました。
「ちょっと、それパパのスマホでしょ? 勝手に触っちゃダメだよ」
そう言って娘に声をかけた瞬間、耳に入ってきたのは聞き覚えのない女性の甘い声と笑い声。違和感を覚えた私は、娘からスマホを取り上げ、画面を確認しました。
そこに映っていたのは、夫と見知らぬ女性が親しげにじゃれ合っている様子でした。女性は「ねえ、もう1回しよ♡」と甘えた声で夫に話しかけており、明らかにただの友人という雰囲気ではありません。
娘に見せるわけにはいかないと思い、瞬時にスマホの画面をオフに。
私は冷や汗が止まらず、心臓の音がやけに大きく響いていましたが、幸いにも娘は何もわかっていないようで「ママ〜ゲームしたい!」と無邪気に笑っていました。
その後、私はなんとか平静を装い、起きてきた夫に普段どおり接して見送りました。
すべてを確かめるために夫のスマホを確認
その日の夜、夫が寝静まったあと、私は再びスマホを確認することに。
写真フォルダやメッセージアプリには、複数の女性との親密なやりとりや、ホテルらしき場所で撮影された画像・動画がいくつも保存されていました。
「○月○日、いつものところで」などのやりとりもあり、どうやら夫は曜日ごとに相手を変え、複数の女性と関係を持っていたようなのです。
あまりの内容に言葉を失い、血の気が引くような感覚がありましたが、それでも目をそらさず、すべてが現実なのだと理解しました。
慎重に進めた離婚と慰謝料の手続き
数日後、私は弁護士に相談し、離婚手続きを進めることを決意しました。
夫との話し合いの場では、浮気を認めて謝罪されましたが、「遊びだった」「本気じゃない」などの言い訳が並び、もはや失った信頼が戻ることはありませんでした。
そして、不倫相手の女性たちにも慰謝料を請求。やりとりの内容から、夫が既婚者だとわかっていながら関係を持っていたことが明らかだったからです。
娘の無邪気な行動が、すべてのきっかけに
その後、無事に離婚が成立し、私は娘と2人で新たな生活を始めました。
すべてのきっかけは、娘が元夫のスマホで偶然再生してしまった1本の動画。あのとき気づかなければ、私は今も夫の裏の顔に気づかないまま、何も知らずに過ごしていたかもしれません。
娘には不安な思いをさせないよう、今はできるだけ普段どおりの生活を心がけています。
夫にはどこかで自分の行動を省みる機会があったはずです。すべてを失ってから後悔しても、もう遅いのだということを、心からわかってほしいと思います。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。