“お願い”の頻度が増えていく
ある日、いつものようにバタバタと朝の支度をしていると、突然インターホンが鳴りました。玄関を開けると「今日も息子をお願いね〜♪」と3歳の甥っ子を連れた義姉の姿が!
少し前「一度だけお願い」と言われて預かったことがあったのですが、気づけば週に2〜3回のペースでわが家に甥っ子を預けに来るようになったのです。義姉は「実家の父が腰痛で……。母も体調が悪くて、私しか面倒を見る人がいなくて!」と言い訳を繰り返しながら、義姉は甥っ子を置いて出掛けて行くように。
義姉は「1人増えるくらい大丈夫でしょ?この子、おとなしいし!」と笑う様子に、私は思わず眉をひそめました。私は双子育児の真っ最中。いくら甥っ子がいい子でも、3人を一度にお世話することに限界を感じていました。
スマホが暴いた“裏の顔”
その後、子どもたちが揃ってお昼寝してくれたので、私はひと息ついてスマホを開きました。 何気なくSNSを見ていたら、ある投稿が目に飛び込んできました。それは、おしゃれなカフェでスイーツを食べながら、楽しそうに笑う義姉の姿……。
その投稿にが「育児から解放!時間は自分で作る♪」という文字が添えられていました。日付を見ると、甥っ子をうちに預けた日の投稿だということが判明。どう見ても「実家の手伝い」とはほど遠い様子にあ然としてしまいました。私は「まさか……両親の体調が悪いのは嘘?」と思い、さらに投稿を遡ってみることに。すると、友人とショッピングやエステに出かけている様子や、映画やネイルサロンに行った記録も次々に発見。そして、投稿された日はすべて甥っ子を私に預けていた日だったのです。
これはもう、偶然では済まされません。「これはさすがに見過ごせない!」と思った私は、証拠としてスクショを取りタイミングを見て兄に相談する決意を固めました。
真実に直面した兄の決断
数日後、再び義姉が甥っ子を連れてやってきました。事実を知ってしまった私は「今日はお断りします」と強く言い切りました。義姉は一瞬驚いた顔をしましたが「そんな冷たいこと言わないでよ〜! 姉妹なんだからさ〜♪」とすがりついてきたのです。呆れた私はドアをピシャリと閉めました。
その夜、兄へ電話をかけると「ちょうど俺も電話しようと思ってた。実は、最近妻が“いびられた”って言ってて……。パッと追い返されて傷ついたとか、冷たくされたって……」と言うのです。私は「それ、完全に話が違う! むしろ私のほうがずっと我慢してたのに……」と言って電話を切り、義姉のSNSのスクショを兄に送りました。数分後、兄から電話があり「ありがとう。全部、見たよ」と言い、兄の自宅へ来るように言うのでした。
数分後、兄の自宅へ到着。すると兄は「このSNS、どういうことだ?」と証拠を手に義姉を問い詰めます。 義姉は一瞬たじろぎながらも「ちょっと息抜きしただけよ! 毎日家のことやってるし少しぐらいいいでしょ!?」と開き直ったのです。その様子に激怒した兄は「嘘をついてまで? その間、妹にどれだけ負担かけてたか分かってるのか? 嘘をついて、人を利用するようなことをしておいて、よく平気でいられるな!」と言い放ったのです。黙り込む義姉にそして兄は「もう君を信じることができない。離婚する」と離婚を宣言しました。
その後、兄は義姉の両親にも事実を説明。義姉の両親も衝撃を受け、今回の件について「人を欺いてまで自由を優先するなんて、親としても許せない!」と義姉は実家へ戻され、離婚が成立。現在は、甥っ子の親権は兄が持ち、幸せに暮らしています。
◇ ◇ ◇
誰かの優しさや善意は、当たり前に与えられるものではありません。都合のいいときだけ人を頼り、自分の責任から目を背けていれば、いつかはそのツケを払うことになるのかもしれません。支え合いとは、互いを思いやる心があってこそ成り立つものなのです。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。