「この家でずっと、幸せな日々を送っていくんだ」
そう信じて疑わなかったのですが……その平穏は、意外とあっけなく終わりを迎えました。
義両親が毎週やってくるように
新築マイホームに引っ越して間もなく、義両親が毎週のようにわが家を訪れるようになりました。しかもそのたびに、「私たちが頼れるのは一人息子だけなんだから!」「老後に備えて、一緒に住ませてもらえないかしら?」と、決まってこう言うのです。
義実家からわが家までは、車でわずか30分ほど。緊急時に駆けつけられる距離なのに、どうしても“同居”がしたいようでした。
義父母の約束
家を建てる際、同居を考えておらず、二世帯仕様の間取りではなかったので断るつもりだった私たち。しかし
「家事は任せて!」
「生活費も毎月10万円入れるから!」
「ローンの繰り上げ返済にも役立ててね!」
という義両親の言葉とその熱意に押されるかたちで「本当に約束を守るなら……」と念を押して、同居を受け入れることにしました。
義両親は大喜び! とんとん拍子で同居生活が始まったのです。
同居が始まると
最初のうちはとても穏やかでした。私たちが日中仕事の間に洗濯をたたんでくれたり、料理を作っておいてくれたり。「なんだ、思ったよりうまくいくかも♪」と思っていました。
しかし半年が経ったころ、リビングの様子はすっかり変わっていました。
義母は「家事? それはあなたの仕事でしょ?」と一日中ソファでゴロゴロ。義父は昼間からビール片手にテレビ三昧。日中家にいて部屋を散らかすばかりで、片付けや掃除は一切してくれず、ピカピカだった新築がどんどん汚されていました。
さらに、当初約束していた生活費をくれたのは初月だけ。それ以降は一度も払われず、食費も光熱費もすべて私たち持ち。夫が聞いても義父は「金はないぞ」と、悪びれる様子も支払う様子もなし。
約束を破った義両親、同居の目的は
ある夜、私は夫とよく話し合いました。
「約束が違う。それに新築の家がどんどん汚れて我慢ならない」「この同居のメリットは義両親にしかない。良いように使われているだけだ。同居は解消しよう」という意見で一致しました。
翌日、私たちは義両親に「退去してほしい」旨を伝えました。
義母は「せっかく同居してあげたのに……」と涙を浮かべ、義父は「親不孝だ」と怒っていましたが、夫に「約束を全部破ったからだろ」「家族でも我慢できないほど、父さんたちの態度はありえない」と反論すると、しぶしぶ承諾。すぐに家を探し、退去してもらいました。
あとに夫から、「住んでいたアパートが古かったから、きれいな家に住みたかった」「生活費を入れると言えば同居できると思った。お金はもともとない」「家事もするつもりはなかった」という呆れた話を聞き、義両親とは距離を置くことにしました。
その後、私たちはふたりの子どもに恵まれ、大好きな家で家族仲良く暮らしています。あのとき、夫が味方になってくれなければ、私が家を出ていました。子どもたちも生まれていません。この家族をこれからも大切にしていきたいです。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。