毎日パパと遊びたがっている息子が不憫になり、「せめて日曜だけでも、遊んであげてよ」とお願いしてみると……。
息子との約束を破ってまで
夫は、「はぁ?めんどくせぇー。俺さあ、平日に仕事で溜めたストレスを、土日は発散させたいんだけど」とため息まじり。それでもしぶしぶ「じゃあ日曜は家族で出かけてやるよ」と言ってくれました。
けれど、約束の日曜。私と息子を置いて、夫は友人と海水浴へ行くと言うのです。
泣き出す息子を「また連れて行ってやるからさ!」と軽くあしらう姿に、胸が痛みました。
ナンパ男の正体とは
翌日、職場の若い後輩が「昨日、友だちと海に行ったら、この人にしつこくナンパされて……。この人、もしかして先輩の旦那さんじゃないですか?」とスマホを見せてきました。
彼女のスマホに表示されたアイコンを見た瞬間、息が止まりました。
そこに写っていたのは、紛れもなく私の夫。
以前後輩に、私の家族写真を見せたことがあったのです。
このとき、胸の奥で何かがぷつりと切れました。
尾行と証拠
翌週末、私は息子を実家に預け、夫を尾行することにしました。夫はこの週末も海へ向かい、友人たちと笑いながら女性たちに声をかけています。しかも指輪を外し、独身のふりまでして。
その瞬間、迷いは消えました。
私は冷静に、夫の姿を何枚も写真におさめていきます。
海辺で腕を組もうとする手、女性を囲んで笑う顔……さらに夕方になると、ひとりの若い女性とホテルへ入って行きました。証拠は十分でした。
ナンパ夫との別れを決意
その日の夜遅くに帰って来た夫に、私は「これ、説明してくれる?」と今日の写真を差し出しました。スマホの画面を見た夫は、顔面蒼白に。
「ち、違うんだっ!」と言いかけた言葉を、私が静かに遮りました。
「離婚するから。家族より女が好きならそうして。でも息子を傷つけるのは許せない」
淡々と話す私に、夫は何も言い返せませんでした。こうして離婚はあっけなく成立しました。
それからの毎日は、想像以上に静かで、温かいものでした。息子は、近所の公園を走り回り、笑顔を見せてくれます。
これからは、息子とふたりで心穏やかに歩いていくつもりです。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。