難産からの退院でひと安心と思いきや……
私が1人目の子どもを産み、自宅に帰ってきた初日の出来事です。私は親戚などに頼れない状況にあって、里帰りはせず退院後はすぐに自宅へ帰宅。幸いにも夫の定休の曜日に退院することができました。
私は自分以外の大人がいてくれる安堵と、陣痛が40時間超えの難産であった経緯から、久しぶりのわが家に帰った直後、すべての重荷から多少解放されたようでホッとひと息。出産直後なので、歩くのも少し不安定なくらいだった私は、しばらく赤ちゃんとじっと座っていました。
一方、夫は何も語らずに家事などに淡々と取り組んでいました。ここまではよかったのですが、問題となった夫の発言は夕食の際のことでした。
食事中、夫にお願い事をしたら……
私は退院当日だったこともあり、夕食作りのすべてを夫に任せて赤ちゃんとリビングで座って待っていました。そして夫が夕食を持ってきてくれて、そのごはんを2人で一緒に食べていたときのことです。私は産後、軽度の腱鞘炎になったこともあり誤って箸を落としてしまいました。夫に思わず「(箸を)拾って」とお願いしたところ、何も言わずに拾ってくれました。
その後、おかずを口元にこぼしてしまった私。ティッシュでふき取りたいけれども、ティッシュ置き場は立って数歩歩かないといけない距離にあったのです。数歩歩くことですら当時の私にはしんどかったので、夫に「ティッシュも取ってきてほしいのだけれど」と2つ目のお願いをしました。そこで夫からの衝撃なひと言が……。
夫の冷たいひと言にショック
夫は「出産直後だからって、甘えんなよ。自分でやれることは自分でやれ」とひと言、冷たく私に言い放ったのです。急に自分のなかにこみ上げてくる怒りの感情がありましたが、難産からの退院初日の私には怒る気力も湧かず「ああ……」としか言えませんでした。
夫もごはんを食べているのに2回も箸を止めるようなお願いをしたからイラッときたのだなと、今ではそう思えるのですが、あのひと言は今でも忘れられません。
ささいなひと言かもしれませんが、今でもあの出来事を思い出し「退院直後の弱っている私に、よくあんなことが言えたものだ!」と怒りに似た感情が湧きます。人生で一番弱っている時期に「甘えるな」と言われ、その後は少し夫不信になりました。数年経った今では笑い話にできるくらいになりましたが「産後の恨みは一生の恨み」という言葉の意味を理解できた一件です。
著者:山本加奈子/30代女性・主婦。2児の母。自身の体験をもとに、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。
作画:うちここ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています
まず奥さんの言い方。
「ひろって」⇨「腱鞘炎で箸がうまく持てなくて。申し訳ないんだけど、身体が辛くてかがめないから拾ってもらえないかな?」
「とって欲しいのだけれど」⇨「何度も申し訳ないんだけどこぼしてしまって…。ティッシュをテーブルに置いてもらえると助かるんだけど、お願いできないかな?」
お願いしたいなら、このくらい言えないかな?
旦那さんの「甘えるな」に対して「退院直後の弱っている私に、よくあんなことが言えたものだ!」と怒ってるけど、出産を経験してない人間には分からないことなんだから。
「身体がこういう状態で日常生活の動作すらままならず辛い」と伝えなければ、甘えてると思われて当然。
よく世の旦那さんに対して「察してほしい」って言われてるけど、たしかにそういう状況もある。
でもこの話に関しては、経験がないものを察することなんてできる訳ない。
それから、そもそもがこの奥さんは旦那さんがごはんを作ってくれたことに「ありがとう」って言ってないよね。
「作ってくれて助かる」って思うだけで伝えないのはどうなのかな。
旦那さんなりに、奥さんが産後で辛いだろうと思ってるから家事をやってたんじゃないの?
まぁ、旦那さんも「産後で動くの辛いだろうから休んでて」くらいの声かけがあっても良かったとは思うけど。
そういう意味では、この奥さんは「産後の自分は労ってもらって当然」と甘えてると思う。
私だって実家との関係が悪くて頼れないし、旦那は仕事が忙しくほとんど家にいないからずっと24時間ワンオペ家事育児。
それでも「生活費ありがとう」「家事育児ありがとう」で成り立ってる。割り切ってるだけかもしれないけど…笑
この夫婦は、お互いに気遣いとかコミュニケーションが足りてないのかもね。