献立を考えたり、量や硬さに気をつけたり、何かと手間のかかる離乳食。毎日の育児を笑顔で楽しく続けられるように、ほんの少し肩の力を抜いて、ラクしてみませんか?
多くのママたちが大変と感じているお世話の中で、「ここまでならラクしてOK」というポイントを、小児科医で3児の母でもあるさくらんぼこどもクリニックの三日市薫先生がご紹介します。
ここが大変① 朝は忙しくて離乳食を準備できない
調理いらずの食材を活用
手間をかけなくても、パンやチーズ、果物といったそのまま食べられるメニューで十分です。大人の分から取り分けられるみそ汁やスープも便利です。また、ベビーフードを活用するのもおすすめ。硬さや味つけの目安の参考にもなります。
1〜2回食の時期ならば、朝は母乳や育児用ミルクにして、昼や夕方を離乳食にすると時間にゆとりができますね。
極端な偏食でない限り、毎食ごとの栄養バランスはこまかく気にしなくても大丈夫です。離乳食の栄養素は2~3日単位で考えます。ほかの食事で補いながら、バランスをとるように心がけましょう。
ここが大変② 食べこぼしが多く、後片づけが疲れる
エプロンや敷物で負担を軽減
服や床を汚したり、お皿をひっくり返したり……赤ちゃんの食事の片づけはひと苦労ですよね。とはいえ、汚れるのが嫌だからといって、すべてお母さんが食べさせるのは避けましょう。赤ちゃんがスプーンなど道具を使う経験も必要です。
ポケット付きや大きめのお食事エプロンをしたり、床に新聞紙や敷物を敷くなどの対策をすると、着替えや後片づけの負担が軽くなります。
手づかみ食べは1品だけでもOK
生後9カ月ごろになると見られる手づかみ食べも、触感を養ったり、自分で食べるための練習になるなど成長に必要なことです。食べる意欲が出てきた証拠と思い、パンやバナナなど汚されにくい1品だけでもさせてあげましょう。
ここが大変③ 好き嫌いが激しく苦手な食材を食べてくれない
赤ちゃんの好き嫌いは気にしなくてもOK
好き嫌いのない子に育ってほしいという思いから、心配になる気持ちもわかります。しかし、赤ちゃんの味覚は未発達で、将来的な好き嫌いにはつながりません。味覚が形成されるのは3歳ごろになります。
嫌いなものはおかゆに混ぜたり、食感を変えてみたりと工夫しながら、気長に様子を見ていきましょう。無理に食べさせなくても、ある日突然食べるようになったりもします。
離乳食の目安量はあくまで参考程度に考えて
食べる量も月齢や離乳食の進み方の目安がありますが、大人も1人ひとりで食べる量が違うように、赤ちゃんもそれぞれ違います。基本は食べたいだけ食べさせて構いません。目安量に達しなくても、体重が順調に増えているならば、その子にとっての適量と思って見守りましょう。
まとめ
離乳食で疲れないために大切なのは、「離乳食は省エネで作る」ということです。ママが一生懸命作れば作るほど、食べてもらえなかったときの不満は、つい赤ちゃんに向かいがちになります。お母さんが怖い顔でスプーンを口に持ってきたら、赤ちゃんは食事が楽しくなくなってしまいます。笑顔で食事の時間を過ごせるように、肩の力を抜いて取り組んでいきましょう。
著者:大浦綾子/女性・ライター。2015年8月生まれの男児の母。出版社勤務を経てフリーの編集・ライターに。「夜の寝かしつけ後に仕事を残さない!」を目標に日々奮闘中。