こんにちは! 助産師のREIKOです。先日、「“助産師の7つ道具”みたいなものってあるんですか?」という質問をされました。助産師の7つ道具……体ひとつあればいいのでは!?と思ったのですが、そういえば病院で働いていたときに、必ず持っていたものがあったなぁと思い出しました。そこで今回は、「助産師の7つ道具」について、お話ししたいと思います。
助産師のスタイル
私が働いていた病院では、助産師も看護師も同じユニフォームを着ていました。ワンピースタイプとパンツタイプがありましたが、動きやすいという点や患者さんの移動の際にベッドの上に乗ることもあるので、パンツタイプを選ぶ人が多かったです。
履いている靴は、以前はサンダルタイプ、いわゆるナースシューズを履いていましたが、つま先が出ている靴は危険だという災害時の教訓から、スニーカータイプのシューズを履くようになりました。
そして、看護師といえばナースキャップをイメージする方もいらっしゃるかと思います。しかし、これも感染予防の観点から廃止している施設が多くなっており、私が働いていた病院でもナースキャップはしていませんでした。
助産師のポケットの中身
新人看護師が業務に必要だと思った物品をポケットに詰め込んで、ポケットはパンパン! ところが、結局は役に立たず、最後にポケットの中に入っていた注射針で自分の足を刺してしまう……なんていうマンガがありました。この新人看護師さんほどではありませんが、必ずポケットの中の入っているものがありました。
私の場合、左のポケットにはタイマーとリール式の時計(懐中時計)。右のポケットには、3色ボールペン、黒マジック、定規、ハサミ、テープなどが入っていました。これらがバラバラにポケットに入っているわけではなく、ペンケースのようなものに整理して入れていましたよ。
胸にもポケットがありますが、赤ちゃんを抱っこするときに危ないので、胸ポケットは空っぽでした。
ポケットの中身は何に使うの?
タイマー・時計
病院では、複数の患者さんを担当しているので、時間管理が重要になります。モニターを外す時間、点滴を交換する時間などなど、さまざまな業務の時間を忘れないようにするためにもタイマーは必需品です。分娩誘発などで点滴をしているママを複数受け持っている場合は、何個もタイマーをセットして動いていましたよ。時計は、基本的にリール式(懐中時計)です。感染予防の観点から腕時計はNGでした。
3色ボールペン・黒マジック
私が働いていたときは、まだ電子カルテが導入される前だったので、看護記録は手書きでおこなわれていました。日勤帯の看護記録は黒字で、夜勤帯の看護記録は赤字で記載する決まり。青はあまり使う機会がないのですが、お産の記録を書くときに使うので、3色ボールペンは必需品でした。黒マジックは、点滴を交換したときに、目盛りをふったり、名前を書いたりするときなどに使います。
定規
お産で入院したママを担当すると、経過に合わせて助産師が内診することがあります。基本、内診は自分の指の太さや開き具合で、「今、子宮口は〇cm」と判断するのですが、私はいつも念のための確認用で定規をポケットに入れていました。実際はあまり使うことはなかったです。
ハサミ
点滴が終わったあと、きちんと分別をして廃棄します。その際、針の部分、チューブなど、分けるときにハサミを使います。そのほか、テープなどを切ったりしますが、刃先はその都度アルコール綿で消毒していました。よくテレビで見る患者さんの服を切る……ということは、産科病棟ではほとんどありませんでした。
そのほかに必要なものはカートに!
入院中の患者さんのケアを担当するときは、ポケットにあるものだけではケアができません。そのときに必要なのが、「カート」です。カートの上に、必要な物品をのせて、お部屋周りをしていきます。
上の段には、検温板、血圧計、聴診器、点滴、テープ類、メジャー、超音波ドップラー、アルコールジェルなど。下の段には、ごみ箱、ティッシュ、使い捨ての手袋など、脇にはビニール袋や防水シートがセットされていました。検温板は、担当している患者さんの体温・脈拍数・血圧・食事摂取量・排泄状況をメモするもので、スタッフそれぞれ工夫して使っていましたよ。
新生児担当のときは、ママのおっぱいの状況を観察するので、タオルが必需品だったりもします。こうして改めて考えると、助産師……というより、私の7つ道具って意外と普通……って思いました。やっぱり、指先の間隔やママの状態を見極める目など、自分自身がひとつの道具なのかもしれません。助産院で働く助産師さんは、家庭訪問セットなど、また違ったものが必需品になるのかもしれないですね。