ラクな仕事ばかり選ぶ同僚
というのも、彼女は自分にとって面倒そうな案件には決して手を出さず、誰かが対応している仕事に後から乗ってくるスタイルを徹底していたから。上司や先輩には「忙しそうだから手伝います」と言いつつ、実際は簡単な作業だけを引き受けて、後始末や面倒ごとは周囲に丸投げ。
僕と一緒に仕事をすることになった際も、「手伝う」と言っておきながら、少しでも難しいと感じることがあると、「これは無理です」と仕事を放り投げたり、別の方に強引に押し付けたり。
「私、パソコン仕事苦手なんですよね~。データを消したりしたら怖いし、お任せします」
オフィス仕事にもかかわらず、「パソコンは苦手」が、彼女の口癖でした。最初こそ「苦手や、わからないだけじゃ何も始まらない」「わからないならやりながら学んでいこう」と彼女をサポートしていた僕でしたが、何度も同じことが続き、また変わらない様子の彼女に、不満が募っていきました。
自分が資料を作ったかのように振る舞われ
言葉にしても響かない彼女に対し、僕はある時期から距離を取るようになりました。あからさまに指摘すると「え~怖いです!」と大げさに言われ、あたかも「僕が悪者」というような雰囲気になり、周囲からフォローが入ることもあったからです。
できるだけ彼女とは関わらないようにしていたある日。新しい取引先との提携に向けて、社内で企画提案会議をおこなうことになりました。以前から温めていた案を出そうと、資料の準備に取り掛かった僕。すると彼女から「資料作成を手伝う」と申し出が。
拒否をしましたが、またもや大げさに「私は戦力外ってことですか?」と言われ、しぶしぶ資料作成をお願いすることに。彼女にもわかるよう、資料に入れてほしい情報を細かく指示しました。
しかし彼女がやったのは簡単なグラフの作成だけ。お願いしていたデータ分析はしてくれず、彼女がやらなかったところは、当然ですが僕が仕上げました。
そしてプレゼン当日、とても驚くことが。
なんと、彼女が、あたかも自分も企画に深く関わったかのように語り出したのです。
さも当然のように自分が資料を作ったかのように振る舞い、周囲も「あれ、彼女も関わっていたの?」という空気に。僕はただただ呆然としてしまいました。
ラクな仕事ばかりする同僚女性の末路
僕の実績が、彼女の実績のように見られていたら……会議後、僕はモヤモヤとした気持ちでいっぱいでした。
そんな中でしたが、数日後、上司から、僕の企画を取引先に提案すると言われ、僕はプロジェクトのリーダーに任命されました。そこに、あの彼女の名前はありませんでした。
すると彼女が、「あの提案、私も関わっていたのに名前が出ていない」と上司に猛抗議。けれど、あの会議のあと、他の社員から上司のもとに「彼女は勝手に手伝いを申し出て、誰でもできる簡単な作業をやっただけ、企画などは一切考えていない」という指摘が入ったようです。上司がそのことを彼女に伝えると、彼女はぶつぶつ文句を言いながらも、引き下がっていきました。
それ以降、彼女は別の部署に異動となり、少しずつ存在感を失っていきました。周囲に愛想を振りまいても、「また始まった」と受け流されるばかり。結局、半年も経たないうちに退職してしまいました。
彼女の働き方は「ラクな仕事だけを拾い、自分の手柄に変える」というものでしたが、人はしっかりと見ているもの。結果的に彼女のズルさや責任感のなさが露見し、誰ひとり彼女の味方をしなくなったのです。
仕事で大切なのは誠実さと積み重ね。派手さはなくとも、正しいことをコツコツ続けていけば、きちんと結果は返ってくる――今回の出来事は、それを改めて教えてくれた気がします。
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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