書籍『ザ・シェフ三國の究極家庭おかず』とは

参考にしたのは、日本を代表するフランス料理シェフ・三國清三さんの書籍『ザ・シェフ三國の究極家庭おかず』(株式会社主婦の友社)。
肉じゃがやしょうが焼きなど、和・洋・中の定番おかず、さらにはスイーツまで全80品が収録されています。難しいテクニックは不要で、使う材料はスーパーで揃うものばかりです。
フランス料理を極めたシェフの知識が惜しみなく使われているから、失敗なしの「確実においしい味」が再現できますよ。

今回作るのは、この書籍で紹介されている「豚のしょうが焼き」。なんと“豚肉をくるっと巻いて焼く”変わった形なんです。
しかも、下味に米酢を塗るという聞いたことがない工程も。いったいどんな味がするのか、想像するだけでワクワクします。
三國清三さん「豚のしょうが焼き」のレシピ

材料(2人分)
・豚肩薄切り肉…150g
・米酢…大さじ1
・片栗粉…大さじ1/2
・おろししょうが…大さじ2
・キャベツ(千切り)…適量
【A】
・日本酒…大さじ1
・てんさい糖…大さじ1
・しょうゆ…大さじ1
※【A】は混ぜ合わせておきます。
今回は豚肩薄切り肉の代わりに豚ロース薄切り肉、てんさい糖の代わりにきび砂糖を使いました。
作り方①豚肉に米酢、片栗粉、しょうがを塗って巻く

豚肉を広げ、ハケを使って片面に米酢を塗ります。我が家にはハケがないので、スプーンの背を使って塗りました。

茶こしで片栗粉を薄く振りかけ、スプーンでおろししょうがを塗り広げます。
三國さんによると、これらを下味に使うことで豚肉がやわらかく仕上がるのだそう。米酢の酸としょうがの酵素が豚肉の繊維をほぐしてくれます。

しっかり塗れたら、端からくるくると巻いていきましょう。片栗粉が“糊”のような役割をしてくれるので、適当に巻いてもちゃんとくっつきます。
いままでいろんなレシピでしょうが焼きを作ってきましたが、こんな形ははじめて!最初の工程から、三國さんのワザが詰まっていますね。
作り方②フライパンで焼く

フライパンを強火で熱し、①の巻き終わりを下にして並べます。サラダ油を使わずに、豚肉の脂でこんがり焼くのが三國さん流。
焼き色がついたらひっくり返して裏側もこんがりと焼きましょう。最後まで強火で手早く仕上げるのがポイントです。

【A】を回し入れて焼きからめ、火が通ったらお皿に盛ります。
フライパンに水大さじ1(分量外)を加えて中火にかけ、焼きついた汁を煮溶かして豚肉にかけます。
お皿にキャベツを添えたら完成です。
新感覚な大人のしょうが焼き

ひと口食べてまず驚いたのが、しょうがの強さ。噛むたびに辛みがじんわり広がる“大人のしょうが焼き”です。
豚肉で巻かれている分、香りが閉じ込められているんですね。

子どもがいるご家庭なら、巻くしょうがは控えめにして、大人はおろししょうがを添えるとちょうどよさそうです。
薄切り肉をくるくる巻いているので、やわらかくて口当たりもやさしい。外側はこんがり香ばしく、中はふんわりジューシーです。

しょうゆと砂糖の甘辛さの中に米酢のほのかな酸味が残り、後味は軽やか。ご飯がめちゃくちゃ進みます。
コロンとした見た目が可愛くてお弁当にも入れやすそうですね。
しょうが焼きの概念が変わる
しょうがと米酢のおかげで、パンチはあるのにサッパリ味。“しょうが焼き=ガツンと甘辛い”というイメージが覆されました。
巻く工程があるので、忙しい日にはちょっと面倒に感じるかもしれませんが、手間をかけてもまったく惜しくない!と思えるおいしさです。
時間がある日にぜひ試してみてくださいね。