夫から突然の離婚宣言…真相は
わが家は40代の私と夫、10歳の息子の3人暮らしです。ある日の夕方、スーパーで夕食の買い物をしていたときのこと。夫からLINEの通知が来ました。
画面を開いた瞬間、私は自分の目を疑いました。そこには一言、「そろそろ離婚する?」と書かれていたのです。
あまりの衝撃に、手に持っていた牛乳パックを床に落としそうになりました。全身の血の気が一気に引き、周りの音が聞こえなくなるような感覚。「そろそろ」ってどういうこと? 朝は笑顔で送り出したはずなのに。そういえば、先日些細なことで喧嘩をしたけれど、あれでもう限界だったの? 「ついにこの時が来た」ってこと……?
悪い想像ばかりが頭を駆け巡り、思考がぐるぐると空回りして……。震える指で「どういうこと?」と返すのが精一杯でした。
送信した次の瞬間、すぐに夫から電話がかかってきました。「違う! 違うんだ! 『そろそろ帰宅する?』って送ろうとしたら、予測変換でそっちが出てきて、慌ててタップしちゃったんだ!」
夫の必死な声に、ようやく事態が飲み込めました。どうやら以前、友人夫婦の離婚話をLINEでしていた影響で、「そろそろ」と打った予測変換の候補に「離婚」が残っていたようです。あまりに破壊力のある誤変換に、電話を切った後もしばらく動悸が止まりませんでした。
その夜、帰宅した夫は玄関を開けるなり「本当にごめん!」と平謝り。必死な夫の顔を見て、ようやく私の緊張も解け、どっと力が抜けていきました。
今では「あの時は寿命が縮んだよ」と笑い合えるようになりましたが、この一件以来、夫はメッセージの送信前確認を徹底するようになりました。たった数文字の違いで天国と地獄。誤変換の恐ろしさを痛感しましたが、夫の大切さを改めて感じる、忘れられない事件となりました。
著者:大畑マチ/40代女性/10歳の息子を育てる母。会社員。趣味はドラマ鑑賞、アンティークショップ巡り。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年10月)