ママ友と話しているときに、意見が合わない、どうも責められている感じがしてしまう、何気なく言われた言葉に嫌な気持ちになってしまう、結果、その場の雰囲気が悪くなってしまい、ますますママ友に会うのが憂鬱になってしまう……。
そんなときは、もしかしたら、コミュニケーションの過程で「会話のクロス」が起こってしまっているのかもしれません。
「会話のクロス」とは
精神科医エリック・バーンは、「他者と関わるときの人の中の傾向」=「自我状態」には、大きく分けて、3つのパターンがあると提唱しました。
ルールなどを重視する親のような視点を持つP、冷静に現在の状態を把握する成人のA、今までの経験などから特に意識せずに反応してしまう子どものような自我状態のCの3つです。円滑なコミュニケーションには、会話のベクトルを並行にすることが必要であるといわれています。
例えば、友人Aに「久しぶりに子どもを置いて飲みに行かない?」と言われて、「そんな小さな子を置いていけるわけないわ」と思うのがP、「夫に預けられるといいのだけれど」と返すのがA、「いいわね! 行きたいわね」と返すのがCです。
この場合、友人Aが、Cの自我状態での返答を希望しているのに、PまたはAで返してしまうと、会話のベクトルが並行にならずクロスが起こってしまいます。
うまくいっていないときの自分の傾向を知ろう
人は、相手によって異なる反応をしますが、Pの反応が多い人、またはAやCの反応が多い人と人によってそもそもの傾向があります。コミュニケーションがうまくいっていないと感じるとき、自分は、どの態度で相手に接することが多いかを考えてみましょう。そして、実際、どのように返せば会話がクロスしなかったのかを検討してみましょう。
基本は「あなたもOK、私もOK」
会話のクロスを発生させないためには、会話のベクトルを並行にすることが必要になるわけですが、これは、相手の意見に同意する、相手の顔色を伺うということではありません。
重要なのは、「あなたもOK、私もOK」ということ。
あなたの考えは素晴らしい、そして私の考えも合っている、という考えのもと、相手を受け入れ、共感することが大切なのです。
前の例でいえば、飲みにいくか行かないかはまた別の問題。
相手の意見を肯定することから入ることで、だいぶコミュニケーションがラクになるはずです。
会話をクロスさせないように、ということばかりに気をとられて無理に続けると、さらに憂鬱な気分や不安を増長させてしまうこともあります。うまくいかない場合は無理に続けるのはやめて、専門家に相談するなどしてくださいね。