ドケチな義母と買い物へ行ったら…
私は、7歳と6歳の年子の男の子を育てる30代の主婦です。約3年前、義実家に泊まることになり、義母と息子たちと一緒にドラッグストアに買い物に行きました。夫の話では、義母は「ドケチ」だそうで、幼少期には、下着や靴下は穴があかないと新品は買ってもらえなかったそうです。その話を聞いていたので、私はなるべく余計なものは買わないよう注意しながら買い物をしていました。
当時まだ次男はおむつを卒業できていなかったため、義実家で紙おむつを捨てるのにくさいと迷惑だろうと思い、300円ほどの防臭タイプのビニール袋を購入しようと手に取りました。すると、義母が「そんな袋を買うなんてもったいない! 工夫すれば大丈夫だから買わないで!」と言ってきます。私は「工夫って新聞紙に包んで捨てるとかかな?」と思いつつ、そのビニール袋はかごに入れずに義母と息子たちとレジへ向かいました。
レジで会計を済ませて、商品を袋詰めしていると、カラカラカラカラっとロール式のビニール袋を勢いよく引き出す音が聞こえます。「まさか息子たちがイタズラしてる!?」と袋詰めしている手を止めて周囲を見渡すと……なんと義母がものすごい量のビニール袋を引き出していたのです!! その量は、巻き取っている義母の腕が2周り太くなるほどでした。
私があっけにとられていると、義母は「こんだけビニール袋があれば、おむつの臭いも漏れないでしょ!」と得意げな表情。周囲の人も、義母の行き過ぎた行動が気になるようで、ジロジロと見てきます。あまりの恥ずかしさで顔から火が出そうな私。「お義母さん、さすがにちょっと非常識な量だと思うんですが……」と勇気を振り絞って言うと、義母は「非常識だなんてひどいわ! 買い物もしてるし、自由に使っていいんだから、これぐらい別にいいのよ! 主婦ならこういう賢い工夫しないと!」と怒り出し、さらにビニールを引っ張ろうとし始めます。
周囲の目もあり、何といえば納得してくれるか悩んでいると、「ばぁば、みんなのものをひとりじめしたらダメだよ! 幼稚園の先生がいつも言ってるよ! みんなのことを考えて使おうねって!」と長男が義母に注意したのです。さすがの義母も、孫に注意されたのは恥ずかしかったようで少し周りを見回し、周囲の視線にも気づいたよう。「そ、そうだね。ひとりじめはよくないね」とひきつった笑顔で答えると、引き出したビニール袋を申し訳なさそうに店員さんに返していました。店員さんは苦笑いしつつも「お店用に使うので大丈夫ですよ」と言ってくれましたが、私は申し訳ない気持ちでいっぱいになり、義母よりもたくさん店員さんに頭を下げたのでした。
今回、長男が義母の行動を見て「してはいけないこと」と判断できたのは親として誇らしく感じましたが、身近な大人の行動は、子どものマナーやモラルに影響を与えると私は思います。普段の自分の行いを振り返ってみて、子どもが自然と社会の常識を身に付けられるように、節度のある行動を心がけようと思った出来事でした。
著者:鈴木遼子/30代・ライター。7歳と6歳の年子の男の子を育てる母。毎日パワフルに活動する子どもたちに振り回される日々だが、大好きなコンビニスイーツを食べて体力を回復している。
作画:yoichigo
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年9月)