押し付けたくせに文句…?
寒さの厳しくなってきた11月。1歳の息子を実家に預け、5歳の長女の幼稚園参観に行ったあと、お迎えまで一度帰るには微妙な時間だったので、自宅に帰らず幼稚園で待機することにしました。他のママたちも同じ考えのようで、車に乗って待機する人もいれば、数人で世間話をしながら待つママなど、幼稚園の駐車場はママたちで溢れていました。
そんな中、私が車内で携帯を見ながらゆっくりしていると、いきなり車の窓ガラスを叩くママが! 見ると顔見知りのママAさんが笑顔でこちらを見ていました。これまで自宅方向が一緒で、少し話をしたことがある程度であまりよく知らないママだったので、そんな人が窓ガラスを叩いてくるなんて一体何ごとだろうと思い窓を開けると「この子、少し預かってくれる? トイレに行きたくて」と言ってきたのです。
私は反射的に車のドアを開けて「あぁ、はい」とAさんが抱いていた生後10カ月くらいの赤ちゃんを抱っこして預かりました。その瞬間、Aさんはトイレの方向へダッシュ。赤ちゃんはママから離れて寂しくなったようで、泣き始めてしまいました。赤ちゃんを抱きながら私の頭の中はごちゃごちゃになり「そもそもタメ口!?」と頼み方の違和感にもモヤモヤ。私にも同じ年ごろの1歳の息子がいるから頼られたんだろう……と咄嗟に自分で状況を解釈しながら、Aさんが戻ってくるのを待っていました。
ところが、10分経っても20分経ってもAさんは帰ってきません。もしかしたらおなかを壊しているのかもと心配になりつつ、泣きじゃくる赤ちゃんを抱いたまま車内で待機。しかし、ふとバックミラーを見るとそこにはAさんが映っていました。トイレから戻ってきたのかと安堵するも、一向に迎えに来ないAさん。なんとAさんは、他のママと楽しそうに談笑していたのです。
私はビックリしながら、ずっと泣いていた赤ちゃんを1秒でも早くママの所へ戻してあげたくて、車を降りてママたちの元へ向かいました。私が話しかけると「あぁ、ありがとう」と愛想なく言うAさん。そして、「ずっと泣いてたよね? 大丈夫だったの? 何かあったんじゃない? 頼んだんだからちゃんと見てくれなきゃ困るわー」と強めな口調で言い放ってきたのです。
私は呆気に取られながら「大丈夫です。ママがいなくて寂しかったみたいですけど」と言うのが精いっぱいでした。その様子を見て、Aさんと話していたママが「ちょっとA、人にお願いしてたのにその態度はないわよ。心配なら自分で見とかないと。ねぇ?」と私の顔を見ながら、やれやれといった感じの表情で言ってくれたのです。Aは「でもトイレに行きたかったのよ! ちょっと見かけて話しかけただけじゃない」と言い返しますが、そのママは「いやいや、それならトイレのあとにさっと子ども迎えに行かなきゃ。しかもちょっとどころか、かれこれ10分以上ここにいたよね、誰かに預けてたんだろうなとは思ってたけど……。さすがに長時間は迷惑だし、無責任なんじゃない?」と返します。「無責任」というワードにさすがのAもバツが悪くなったのか「あぁ……。ごめん」と言い、「あ、私、用事があるんだった。ちょっと早いけどお迎え行っちゃうわ」と足早に去っていったのでした。
Aさんの態度にはイライラしてしまいましたが、Aさんと話していたママへ「よくぞ言ってくれた!」と思い、少し気分が晴れたのでした。その後、Aさんには幼稚園で見かけても話しかけられないように、距離を置くことにしたのでした。
日常生活で誰かの手を借りたいときは、誰にでもあると思います。特に子どもに関連することは常にお互い様の精神でいたいと思っていますが、手を貸してもらえるのが当たり前だと思ったり、人に丸投げしたりするのはよくないと私は思います。もし私が人の手を借りる立場になったときは、礼儀を大切にしたいと感じさせられる出来事でした。
著者:矢田むぎ/40代・ライター。おてんばな5歳長女とマイペースな3歳の次女、1歳になったばかりの長男とにぎやかに過ごすママ。自分に合った「頑張りすぎない育児」を考え毎日にぎやかに過ごしている。家族が寝静まったあとのひとり時間が大好き。
作画:ryo
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年9月)
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