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中絶を考えてしまってごめんね…小さな命を私が守ると決めた日【体験談】

一度は中絶を考えたものの、おなかの赤ちゃんの愛おしさにどうしても産みたい気持ちが強くなり、シングルマザーになる道を選んだ先輩ママの体験談をお伝えします。

妊娠・出産のイメージ

 

私は未婚のシングルマザーです。

まだ20代前半で結婚をしていない状態での妊娠判明、そしてシングルマザーの道を選んだときの体験談をお伝えします。

 

思いがけない妊娠

息子の父親とは早くから同棲をしており、3年目に入ってしばらくしたころ、生理が止まりました。ですが、 元々ひどい生理不順だったので気にすることもなく普段通りの生活をしていました。そして今度は異様なほどの眠気に襲われ、朝9時~夕方6時までずっと寝ていたことも度々ありました。それが2カ月続き、さすがにおかしいと思い周りに相談すると、「妊娠したのではないか」と言われました。そこで妊娠検査薬を試したところ、くっきりと線が浮かび上がりトイレで放心状態になりました。

 

当時まだ20代前半でやりたい事もたくさんあり、まだまだ遊びたい私が親になるなんて想像もつかない……と、妊娠のうれしさより困惑のほうが大きかったです。相手に伝えましたが、彼も困り顔。 貯金もなく、結婚もしていない私たちは、おなかの子とさよならをするつもりでいました。

 

シングルマザーになってもこの子を産みたい!

妊娠がわかってからすぐに産婦人科に行きました。 「きっと中絶を希望したら、先生は嫌な顔するんだろうな……」なんて思いながら内診台に乗ったのを覚えています。内診台に乗り、エコーを見せてもらったとき「これが赤ちゃんだよ」と先生に言われモニターを見たときポロポロ涙がこぼれました。 エコーだから黒く小さくしか見えませんでしたが、小さい豆粒のようなわが子がかわいくて愛しくてたまらなくなり、私はこの子になんてひどい事をしようとしたんだ……と胸が痛くなり、自分で自分を殴りたいほどでした。

 

先生の「産みますか?」という言葉に、迷いもなく「はい」と答え、エコーをもらい、彼に話すと大喧嘩に。「シングルマザーになってもこの子を産みたい」と伝えたところ、それなら……と納得してくれました。

 

それからは母子手帳をもらいに行ったり分娩予約をしたり、お金を貯めるために少しずつ働いてあっという間に妊娠33週になりました。しかしそのころ、彼から別れを切り出され、慣れない土地、親しい友人もいないなかで子どもを産んで暮らしていくのは無理だと感じ、急遽地元に戻ることになりました。

 

「ごめんね」と「ありがとう」

帰るころには妊娠35週になっていて、何件も何件も地元の病院を断られやっと出産できる病院が見つかり、新幹線や特急を乗り継いで地元に帰りました。

 

そして妊娠39週、破水から始まりすぐさま病院に飛んでいき入院しましたが、その日は陣痛が来ず、次の日の夜中に弱い陣痛があり、念のためという事で陣痛室で一晩過ごしました。

 

眠れないまま朝になってしまい、破水もしているので陣痛促進剤を打つことに。 朝の7時から夕方5時まで打ち続けました。しかし赤ちゃんは一向に降りてきてくれず……。

 

先生がこれ以上は危険と判断し、緊急帝王切開になり、妊娠39週3日で3,744gの男の子を出産しました。顔を初めて見たとき、涙が止まらなくなり、「ごめんね」と「ありがとう」でいっぱいになりました。目まぐるしい妊婦期間でしたが、病院の方々のサポートのおかげで、元気な子を産めた事に感謝しています。

 

 

「若い親は……」「シングルマザーなんて……」と白い目で見られる事も多く、つらいこともありますが、覚悟を持ち、試行錯誤しながらも子育てをしていこうと強く思っています。


著者:緒方ゆず

4歳、生後3カ月の子を持つシングルマザー。

 

※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。

 

◆関連動画 出産ドキュメンタリー(通常分娩)

 

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