隣の家のガラスを割った!?
息子は友だちと一緒に公園でボールで遊んでいたのですが、友だちが上に投げたボールが公園の木の枝に引っかかって落ちてこなくなってしまったのです。子どもたちは石を拾ってボールに投げて、なんとかボールを落とそうと頑張ったそうですが、そのうちの誰かが投げた石が公園の隣の家に飛んでいってしまい、その家のガラス窓を割ってしまいました。
息子が走って家に帰ってきて「すぐに公園に来て」と言われ、事情を聞いて事態を把握した私。急いで公園に向かうと、ボールを木に引っ掛けてしまった友だちや、一緒に石を投げていた友だちはすでに帰ってしまっていて、そこには怒っている様子のその家に住む70代くらいの女性だけがいました。
私は慌てて謝罪し、家を見せてもらうと、模様入りの素敵なガラス窓にヒビが入ってしまっていたのです。息子と2人で真摯に謝罪し、急いでガラス屋さんに電話しました。しかし、同じ模様入りのガラスはないとのこと……。
それを知った私は女性にガラス屋さんの話を伝え、改めて謝罪しました。女性はずっと怖い顔をしていて、息子と一緒に何度も頭を下げながら、「どうしよう……」と内心パニック。すると、怖い顔をしていた女性が急に表情をやわらげ、「この子だけが逃げずに謝りに来てくれた」とひと言。そして「きちんと対応して立派ね」と息子に言ってくれたのです。
息子は私を呼びに来る前、ひとりですぐに女性の家を訪ねてひとりで謝罪したとのこと。一部始終を家から見ていたおばあさんは、友だちのボールを必死で取ろうとする息子の姿、すぐ謝りに来て、親を呼んでくると言った息子の行動に感動したそうです。女性は息子に怒っているのではなく、そんな息子をひとり置いて帰ってしまった友だちに怒っているのだと言いました。
その後、女性は違う種類のガラスに交換することを了承してくれて、その日のうちにガラス屋さんに来てもらい、無事に交換が終わりました。翌日には夫も一緒に菓子折りを持って改めて謝罪に伺い、女性も快く許してくれました。息子と一緒に遊んでいた友だちの親御さんたちにも連絡し、事情を説明すると、みんなすぐに謝罪に行ったようでした。ガラスの交換代も後日、みんなで割って一件落着。
息子には、住宅街にある公園で不用意に石を投げたことはよくなかったと伝えつつ、逃げずにひとりできちんと対応できたことを褒めました。ミスをしてしまったとしても、きちんと責任を取ろうとする息子の姿と、やさしい女性の対応に感動した出来事でした。
著者:斎藤理沙/40代・女性・主婦。ひとり息子を育てている母。
イラスト:マキノ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年11月)