「自分で上履き洗ってみたら?」のひと言から
息子が小学生になり、身の回りのことは少しずつ自分でできるようにさせたいと考えていました。学校の準備や整理整頓など、できることから挑戦してほしいと思い、夫婦でよく「自分のことは自分で」と伝えていました。
1年生の夏休み明け、私は息子に「そろそろ上履きを自分で洗ってみない?」と提案。すると、息子は「え〜めんどくさい……」と渋い顔を見せます。
「お母さんは小学生のころ、自分で洗っていたよ」と伝えつつ、横にいる夫にも同意を求めました。ところが……。
一貫性のない衝撃発言
夫は「俺、一度も上履きを自分で洗ったことないよ!」とまさかのドヤ顔。あろうことか「そもそも上履きって、自分で洗うものなの?」と言い出したのです。その瞬間、私はあまりの衝撃に言葉を失いました。
普段は私以上に「自分のことは自分でしなさい」と厳しく言っている夫からの、真逆の発言。思わず「えっ?」と固まってしまう私をよそに、息子は「ほらね! 父ちゃんも洗ったことないって!」と、強力な味方を得てうれしそうにしていました。
話し合ってわかった「夫の当たり前」
改めて話を聞くと、夫が上履きを洗ったことがないのには事情がありました。子どものころは習い事で忙しく、気づけば親が洗ってくれていたため、「上履きは親が洗うもの」という認識で育ったそうです。
一方の私は、どんなに忙しくても「自分のものは自分で」が当たり前。洗い忘れたら、薄汚れた上履きを我慢してもう1週間履き続けていました。
どちらが正しいかではなく、育った環境によって「当たり前」が違っていたのです。話し合いの末、わが家では「自分の上履きは自分で洗う」という方針に決定。ただし、どうしても時間が足りないときは親に相談するという条件をつけ、息子も納得してくれました。
この一件で、考え方が食い違ったときは、話し合って家庭としての方針をすり合わせることが大切だと気づきました。お互いの背景がわかれば、「そういう考え方もあるのか」と受け入れやすくなります。夫の意外なひと言は、家族のルールを見直す良いきっかけになりました。
著者:有沢なほ/30代女性・主婦。2017年生まれの男の子のママ。フルタイムで住宅関連の仕事をしながら、副業でライター業にも取り組むハイブリッドワーママ。子どもの「やってみたい!」を費用面で諦めさせたくなく、副業をスタート。子どもとのテレビゲーム、野球練習が休日の楽しみ。
イラスト:森田家
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年11月)