ソミュール液とは!?

NHK『あさイチ』に登場した俳優・妻夫木聡さん。先日最終回を迎えた日曜劇場『ザ・ロイヤルファミリー』にも出演していらして、話題となりました。
妻夫木さんは毎年クリスマスにはご自身でターキーを焼いていらっしゃるのだとか。お料理がお得意なんですね。
40歳を過ぎた頃からはそのターキーを「ソミュール液」につけてから焼くようになり、それがとてもジューシーで奥深い味になるとのお話でした。
ソミュール液。確かコンビーフを作る時などに漬けるやつですよね。
妻夫木さんのコメントを受け、料理研究家・上田淳子さんが家庭でも作りやすい「ソミュール液」のレシピを紹介してくれました。
知識はあっても作ったことも試したこともないので、初めてのソミュール液、トライしてみたいと思います。
上田淳子さん「ソミュール液」のレシピ

ソミュール液材料(肉や魚200~300g分)
・水…100ml
・塩…小さじ2/3
・砂糖…大さじ1/2
・黒こしょう(粒)…適量 ※今回は5粒使用
・お好みのフレッシュハーブ(ローリエ、ローズマリー、クローブなど)…適量 ※今回はタイムとローリエを使用
【その他材料】(好みの肉、魚、野菜を準備)
・鶏もも肉…1枚
・鶏胸肉…1枚
・じゃがいも…2個
・にんじん…小2本
・長ねぎ…1.5本
【その他調味料】(写真には写っていません)
・塩…適量
・こしょう…適量
・オリーブオイル…適量
妻夫木さんはターキーを仕込まれるそうですが、肉や魚200~300g分ということなので、鶏もも肉と鶏胸肉を1枚ずつ準備しました。
ソミュール液は肉や魚200〜300gに対して上記分量が必要なので、準備したのは2倍分です。
作り方①ソミュール液を作る

水、塩、砂糖を混ぜ合わせます。甘じょっぱい味になってます。
作り方②ソミュール液に肉とハーブを入れて漬け込む

ビニール袋にソミュール液を入れ、肉とハーブ、黒こしょうを入れて全体に「ソミュール液」が浸るようにし、空気を抜いてビニール袋の口を縛ります。これは胸肉です。
(ビニール袋の中で直接ソミュール液を作ってもOKです)

こっちはもも肉。

それぞれ出来るだけ空気を抜いてビニールを閉じました。全体が液体に浸かっている状態です。このまま冷蔵庫で3時間以上寝かせるのだそうですが、筆者はひと晩寝かせました。
作り方③天板に肉と野菜を準備する

ソミュール液にひと晩漬けた後の鶏肉です。いい香りがついています。

オーブンの天板にクッキングシートをひき、その上に鶏肉2種、適度な大きさにカットした野菜、ソミュール液に漬けていたハーブ類も一緒にのせます。
長ねぎは長さ4cmほどに切り、にんじんは厚さ1cmほどの輪切りに、じゃがいもは皮をよく洗って皮付きのまま8等分のくし切りにしました。
じゃがいもの皮が緑色になっている場合は、皮付きのまま使うのは避け、大きな芽があれば、除いてカットしましょう。冷蔵庫でしなびていたセロリを発見し、最後にそれも追加しました。
鶏肉には味がついているので、野菜類に塩、こしょうを適量振ります。そして全体にオリーブオイルを回しかけたら準備完了です。
作り方④オーブンで焼く

200度に温めたオーブンで40分焼いたところです。竹串で確認するとじゃがいももにんじんもやわらかくなっていました。鶏肉からも透明な肉汁が出ます。ちゃんと火が通ったようです。
焼いている間中、えも言われぬいい香りがしていました。主にセロリの香りです(入れて正解!)。そしてハーブの香りもありますね。作る喜びを感じられる料理らしい料理。嬉しい。
香りが素晴らしい!味も素晴らしい!

鶏もも肉をカットしてみました。いい具合です。

厚みのある胸肉もこの通り。ふっくらしています。

ひと口いただいてみました。おぉぉ、しっかり味が入ってます。食感はふっくらやわらかで、鶏肉のうまみを感じる奥深い味わいです。ソミュール液、確かにすごいぞ。
そして野菜が最高。にんじんとセロリの甘さはびっくりレベルだし、じゃがいもも、長ネギもハーブの香りと塩気のバランスが素晴らしい仕上がり。
予想以上の味に驚いたり、喜んだり。
すごーくいい匂いがするー、と部屋から出てきた家族と一緒に、白ワインなどを傾けながら、ばくばくと一気に完食させていただきました。大成功!
シンプルで力強い、これぞ基本の料理なのだ

漬けて焼くだけ。調理は本当にシンプルの極みでした。
それでもこの完成度の高さ。びっくりです。
正直オーブンで焼くだけという料理で成功したことがあまりなく、今回は初めてと言っても過言ではないくらいの手応えでした。
買ってきたままの鶏肉を焼くだけじゃ駄目だったんだなぁ。時間をかけて下味をつけること、そしてじっくりと焼くこと。
野菜を焼く時には食べた時においしいだろうとイメージ出来る量の塩をきちんとまんべんなく振ること。
全体にオリーブオイルを回しかける時にはケチらないこと。そういうことが出来るようになったのは、少しずつ料理の経験値が増えてきたからだと思います。
ポイントをきちんと押さえれば、こんな料理が作れるのか。本当に嬉しい体験をさせていただきました。
映える一皿でもあります。オーブンに入れっぱなしでいいうえに、迫力のあるメイン料理になるので、来客時にも最高。皆さまも、ぜひぜひお試しくださいね!