あのころの母のガタガタアイライン
小学生のころ、母のアイラインはいつも少しだけガタガタしていました。黒々としたラインがまぶたの上で波打ち、左右の太さもまばら。私はメイクする母の姿をこっそりのぞきながら「もう少しちゃんと見ればいいのに」と思っていました。
メイクというのは大人の象徴。子どもながらに、母がその大人の儀式を少し失敗しているように見えたのです。
けれどあれから時がたち、今や私もアラフォーに。朝の支度中、ふと小学生の長女に呼び止められました。
「ママ、そのアイライン……浮いてるよ?」
鏡を見てもピンと来ません。なのに娘は笑いながら「パンダみたいになってる!」と指摘するのです。あのときの母と、今の私がきれいに重なった瞬間でした。
目の焦点は合わず、まぶたは垂れてくる
思えば、最近どうにもアイラインが引きにくくなっていました。目を細めても焦点が合わず、鏡の中のラインがぼやけます。しかも年々まぶたが主張を増し、筆を滑らせるたびに線が予想外の方向へ。結果、目尻が二股に分かれたり、黒い線がまぶたのシワに埋もれたり。
「これ、母もこんな感じだったのかも……」。そう思うと、妙にしみじみしました。あのころの母もきっと、見えない視界やまぶたのたるみと格闘していたのでしょう。
文明の利器が味方した!?
そんなある日、ふとスマホのインカメラを使ってアイメイクをチェックしてみました。これが大正解。写真を撮って拡大すれば、ラインのズレも一目瞭然。ピンぼけもしないし、角度も自由自在です。
「おお、真っすぐ引けてる!」
久しぶりに成功したアイラインを見て、心の中でガッツポーズをしました。文明の利器って、すごいものだな、と改めて感じさせられました。
インカメラで確認するようになってから、娘に「ママ、今日はパンダじゃないね」と褒められる日も増えました。あのとき、母にもしスマホがあったら、もっと美しくラインを描けていたのでしょう。
まとめ
あのころの私は、母の下手な化粧を残念に思っていました。でも今ならわかります。見えない目で、忙しい朝の中で、それでも「きれいでいたい」と思う気持ちがあったのだろうと。鏡越しの自分を見ながら、「母もきっと、こうして奮闘していたんだろうな」と思いました。母から受け継いだ“頑張る美意識”を、これからも大切にしていこう、と感じた出来事でした。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
著者:大野肉美/40代女性。2015年、2019年生まれの女の子のアラフォー母。育児の傍ら在宅ワークをおこなう。趣味はK-POPや音楽活動。日常生活のクスっと笑えるエピソードを読んだり聞いたりするのが大好き。モットーは「一日一笑」。
イラスト/ののぱ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年11月)
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