県名と同じ名前の「市」がない県はいくつ?
次のうちから選んでみてください。
① 8
② 10
③ 14
正解は……



③の14県でした!
県名と漢字まで同じ名前の「市」が存在しないのは14県あります。
東北:
・岩手県(盛岡市)
・宮城県(仙台市)
関東:
・茨城県(水戸市)
・群馬県(前橋市)
・埼玉県(さいたま市)
・神奈川県(横浜市)
中部:
・石川県(金沢市)
・愛知県(名古屋市)
近畿:
・三重県(津市)
・滋賀県(大津市)
・兵庫県(神戸市)
中国・四国:
・島根県(松江市)
・香川県(高松市)
・愛媛県(松山市)
混同注意!県名と同じ市がある例外
間違いやすい県
・「栃木県(栃木市)」
・「山梨県(山梨市)」
・「沖縄県(沖縄市)」
は、県庁所在地とは別の場所に、県名と同じ名前の市が実在します!
豆知識:なぜ関東に多い?
県名が「郡」の名前に由来する理由これらの府県に共通する傾向は、県名が行政の中心地とは別の、歴史的な「郡(ぐん)」の名前から採用されたためです。
特に、関東の茨城県、群馬県、埼玉県にこのパターンが多く見られます。
県が成立する際、県庁所在地となった中心都市は名古屋市や水戸市として独立したため、後から「愛知市」や「茨城市」という名前の市が生まれることはありませんでした。
豆知識:平成の大合併で「埼玉市」ではなく「さいたま市」になった経緯
埼玉県に「埼玉市」が誕生しなかったのは、主に以下の3つの行政的・政治的要因が重なった結果です。
1. 合併当事者間の対立の回避
「さいたま市」は、2001年5月に旧浦和市、大宮市、与野市の3市が合併して誕生しました。
・「埼玉」の漢字表記が抱える問題:
「埼玉」という漢字表記は、古くからの歴史的な地名である「埼玉郡(さきたまぐん)」に由来します。しかし、この地名が合併に参加したどの市にも直接的な地域拠点として存在していなかったため、新市の名前を漢字の「埼玉市」にすると、参加した3市(浦和、大宮、与野)の間で、「新市の中心はどこだ」という主導権争いが再燃する可能性がありました。
・中立性の確保:
合併に参加した各市がスムーズに統合するため、どの市にも特定の歴史的な偏りを感じさせない中立的な名称を選ぶ必要がありました。
2. 公募の結果とひらがなのインパクト
新市名選定の際、一般公募が行われました。
・公募の結果
応募数では「さいたま市」が最多ではありませんでしたが、「ひらがな」表記であることに着目されました。
・インパクトと差別化
ひらがなの「さいたま市」は、他の都市にはない柔らかさや新しさを持ち、全国的にインパクトがあると評価されました。
また、当時「ひらがな市名」は全国的に珍しく、合併による新しい都市の門出を象徴する名称として受け入れられました。
3. 「さいたま市」誕生後の動き
合併後、2005年には岩槻市が編入され、さいたま市はさらに広域な都市となりました。
この「さいたま市」の誕生により、埼玉県は長年続いた「県名はあるが、県庁所在地の市名が県名と同じではない」という問題を、「ひらがな」という形で解決したことになります。
埼玉県民は漢字が読めないという理由で「ひらがな」にしたわけではないようです。
豆知識:東京は「東京市」だった
ちなみに、このクイズから除外された東京都は、かつて「東京府」と「東京市」に分かれていました。
しかし、第二次世界大戦中の1943年に行政効率化のため、「東京府」と「東京市」が統合され、「東京都」が誕生し、現在の特別な行政区画となりました。