誕プレ、まさかの受け取り拒否!?
私には5歳の長女、3歳の次女、1歳の長男がいます。ある日、いつもご近所で一緒に遊んでいるAちゃん親子と、初めて食事に行くことになりました。人懐っこく誰とでも仲良くできるAちゃんは、年が少し離れた娘たちといつも遊んでくれ、次第にAちゃんママとも立ち話するようになり、食事に行こうという話になったのです。
ちょうど、Aちゃんが11歳の誕生日を迎えようとしていたので、5歳の長女と話し合い、少し早めに誕生日プレゼントをサプライズで渡すことに。年ごろなのでプレゼントは何にしようか悩みましたが、前から好きだと聞いていた推しのキャラクター雑貨を3、4個詰め合わせにして贈ることにしました。
長女は「きっと喜んでくれるよね!」とワクワクしている様子。私もAちゃんにプレゼントすることに、少しワクワクしながら待ち合わせ場所へ向かいました。そして楽しく食事を終えたあと、Aちゃんへ「少し早いけど、お誕生日おめでとう!」と、用意していたキャラクター雑貨を娘と一緒にプレゼント。Aちゃんは「わぁ! ありがとう!」と大喜びです。その笑顔を見て私たちもうれしくなりました。Aちゃんが喜んでいるのを見て、Aちゃんママも笑顔で「よかったね」と声をかけます。
しかし次の瞬間、Aちゃんは「あ、でもこれ持ってるからいらなーい! あっ、これも前買ったから持ってるし!」と大きな声で予期せぬひと言……。私がその言葉に少しイラッとしていると、すかさず長女が「Aちゃんのために選んだプレゼントなのに、いらないの?」と尋ねます。Aちゃんは「これ私持ってるから」と複雑な面持ち。すると長女が「せっかくあげたのにそんなこと言わないで! ママと話し合って決めたプレゼントなのに……」と泣き出しました。そんな長女の姿を見て、私まで思わず泣きそうになりました。
しかもAちゃんのママのほうを見ると、フォローしたりAちゃんの遠慮のない言葉をたしなめたりするどころか、なんと知らんぷり。Aちゃんのすぐ隣に座っているにもかかわらず、Aちゃんママはスマートフォンを取り出し、画面に視線を落としたまま微動だにしません。まるで目の前で起きている一連のやり取りが、自分とは関係ない出来事であるかのよう。泣いてしまった長女のフォローと下の子たちの面倒を見るので精一杯だった私も、さすがにドン引きしました。そして変わらずAちゃんは「他のものが欲しかったなぁ」となかなかプレゼントを受け入れてくれません。
しびれを切らした私が2人の仲裁に入ろうと思ったそのとき、長女が「それならそのプレゼント返して! いらないなら私が大切に使うから!」と泣きながら訴えました。それを聞いたAちゃんはハッとした表情に。やっと納得してくれたようで「ごめんね。せっかく選んでくれたんだから使うね」と言ってプレゼントを受け取ってくれました。そのタイミングで「大事に使おうね〜」と言い、やっとスマホの世界から戻ってきたAちゃんママ。都合の悪いときだけ目を背けられたようで、私は少しモヤモヤしました。
その後はいつものように「またね」と言い合って別れました。以降も、子どもたちは仲良く遊んでいます。Aちゃんママの言動には不満が残っていますが、子どもたち同士で問題が解決した以上、深く言及すると関係がこじれるかと思い、当時のモヤモヤは私の中にとどめて、今も変わらない付き合いをしています。
娘の気持ちも少しだけ考えてくれたらよかったのに……と正直思ってしまいましたが、プレゼントにがっかりした11歳のリアルな対応は、素直な気持ちを表現しただけで、悪気はなかったのだと思います。ただ、Aちゃんママの「自分の子どもが誰かを傷つけているのに知らんふり」という態度は、私にモヤモヤした気持ちを残しました。
相手の気持ちを思いやる人に成長できるよう、これからも娘をサポートしていきつつ、子どもが誰かを傷つけてしまったときには、親としてしっかりフォローし、謝罪しようと強く思った出来事でした。
著者:矢田むぎ/40代・ライター。おてんばな5歳長女とマイペースな3歳の次女、1歳になったばかりの長男とにぎやかに過ごすママ。自分に合った「頑張りすぎない育児」を考え毎日にぎやかに過ごしている。家族が寝静まったあとのひとり時間が大好き。
作画:Pappayappa
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年10月)