知らない人からの文句に、周囲が…
妊婦なら階段使えってどういうこと? と思いましたが、おそらく、混んでいるからおなかの大きい私が乗っていると邪魔だ、だから降りて階段を使え、という意味だったのだと思います。
驚きと悲しさで声も出ませんでしたが、その瞬間、同乗していた数人の方が一斉に「ここは優先エレベーターですよ」「そんなこと言うべきではありません」と強く抗議してくれたのです。
私は思わず涙がこぼれそうになりましたが、「大丈夫ですか」「無理しないでくださいね」とやさしい言葉をかけてもらい、緊張がすっとほどけていきました。後から振り返ると、あの場で助けてくれた人たちの存在が、自分ひとりではないと気づかせてくれ、社会の温かさを実感するきっかけになりました。
後日、その出来事を家族に話すと「助けてもらえて本当によかったね」と安心してくれました。私自身も見知らぬ人同士でも支え合える場面があることを知り、心ない言葉に対してひとりで抱え込む必要はないと学びました。もし自分が逆の立場になったときは、あの日の人たちのように迷わず声をかけられる存在でありたいと強く感じています。
著者:美崎 結/30代女性・主婦
0歳、2歳、小学6年生、中学1年生の4人の子どもを持つ母。毎日予想外のことがたくさん起きるが、楽しい日々を過ごしている。
作画:さくら
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年12月)