人のお金で乗り物を楽しむ親子
2歳の娘は、ゲームコーナーにあるキャラクターの乗り物がお気に入りです。キャラクターは2体いて、その背中に乗って200円を入れると動きます。ある日、新しくできたショッピングセンターに行くと、その乗り物があり、娘は大はしゃぎ。いつも通り「乗りたい!」と言うので、娘の選んだキャラクターに乗せました。音楽に合わせて回り始めると、娘は満面の笑顔です。
そのとき、近くにいた3歳くらいの男の子が「乗りたいよ〜!」と駄々をこね始めました。そばには、スマホをいじっている男の子のママと、小学生くらいのお姉ちゃん。男の子のママは「今、お金ないの!」とイライラした様子です。私は少し気まずくなり、乗り物が止まると娘に「そろそろ帰ろうね~」とうながして、その場を離れました。
それから数日後、同じショッピングセンターへ行き、買い物帰りにゲームコーナーへ。娘を乗り物に乗せてお金を入れていると、見覚えのある男の子がもう一方のキャラクターによじ登ってきたのです! まさか、と顔を上げると、「よかったね〜、一緒に乗れて!」と笑顔で話す男の子のママ……。まさしく、数日前にここで会った親子でした。私は、「え、タダ乗り?」と思うも、楽しそうに笑顔で乗る男の子を見ると何も言えず、苦笑いをしてその場をやり過ごします。乗り物が止まったあとも、悪びれたり感謝したりする様子もなく「楽しかったね~」と帰っていく親子にモヤモヤ。近所の人なのかな? と思うと、また会うのではないかと心配になりました。
そして数週間後、やはりまた同じ場所で親子に遭遇。私は驚いて引き返そうとしましたが、娘が「乗りたい、乗りたい!」と駄々をこねるのでどうしようもありません。なるべく親子を気にしないように娘を乗せると「あ! また今日も乗るんだって! やったね! 乗れるね!」と娘を指差し、男の子に乗るようにうながすママ……。「今日もタダ乗りさせる気?」とドン引きする私とは、目も合いません。その態度に、お金を入れようか迷っていたそのときです。横で見ていた男の子のお姉ちゃんが、「ねえママ、人のゲームにタダ乗りとか、まじで恥ずかしい! 私、車に戻る!」と言い残して走り出しました。
自分の娘に真っ当な指摘を受け、顔を真っ赤にして周囲を見回すママ。男の子を抱き上げると、早足で去って行きました。結局私に何の謝罪もあいさつもなく……。そのママがタダ乗りさせてきた真意はわからず終了。きっとお金が浮いてラッキーという気持ちで乗せていたのだと思いますが、私は驚きのあまり一連の流れを見ていることしかできませんでした。しかし、その後はショッピングセンターで男の子親子を見かけなくなり、今では安心して娘を乗り物で遊ばせています。
非常識な親にしっかりと注意ができるすてきなお姉ちゃんの言葉に、スカッとした瞬間でした。公共の場で子どもに「タダ乗り」をさせる行為は、あまりにもモラルに欠けていると私は思います。自分さえよければいいという考えではなく、きちんとルールやマナーを守り、子どもに示しのつく大人であろうと私自身も改めて心に決めた出来事でした。
著者:桂ゆかり/30代・ライター。破天荒な2歳の娘に毎日ついていくのが精いっぱいのママ。普段激務の夫が早く帰って娘を寝かしつけてくれている間、ゆっくりお風呂に入る時間が何よりの癒し。
作画:ryo
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年11月)