つれない息子にさみしい私
わが家の息子は12歳。3人兄弟の一番上です。最近は家より学校や習い事が楽しいようで「ねえ、ねえ」と話しかけてもなんだかそっけない返事をされることも多くありました。夫とは男同士、休日に出かけたり、ゲームや釣りの話で盛り上がったりもしています。
そんな姿を見ると、成長による当たり前の変化だとわかっていても、小さいころのかわいい反応を思い出しては、ちょっと残念でさみしく思ってしまうのです。
とはいえ、成長したことで、洗濯物を取り込んだりお風呂を洗ってくれたり、面倒くさがりつつも家事を手伝ってくれる、やさしさを感じることもありました。
思いがけず息子から渡されたのは…
子どもが小さいころ、私が生理のときは「ママは毎月おなかが痛くなる」と説明していました。さすがに小学校高学年にもなると、男の子も学校で生理について学ぶので「どうして毎月おなかが痛くなるのか」について、うすうすわかってきているようでした。
そして、ある日のこと。私は生理2日目の痛みに耐えながら、ソファで横になっていました。その日、夫は仕事で不在。3人の子どもたちの晩ごはん、後片づけだけは気力で終わらせたものの、鈍い痛みをやりすごそうとじっとしていました。
すると、そこに現れたのは、12歳の息子。そして「これ、使う?」と何かを差し出してきました。見てみると、それはある思い出の品でした。
思い出の湯たんぽだった
今でこそクラスでも大きいほうの息子ですが、出産予定日より2週間ほど早く生まれた、小さめの赤ちゃんでした。保育器に入る必要はなかったけれど、まだ寒い時期、初めての子どもということもあり、私は室内の温度や湿度にちょっと神経質になっていました。
それを見ていたパパが「これ、いいみたいだよ」と買ってきてくれたのが、やわらかい湯たんぽでした。かわいい牛のぬいぐるみに入れて使うことができるものです。ちょうど息子くらいの大きさで、布団を温めたあと、息子と共に写真を撮ろうとベッドに並べると添い寝しているようでとてもかわいらしく、気に入っていたのです。
生理痛の私に息子が渡してくれたのは、その思い出の湯たんぽ。あの湯たんぽが、12年の歳月を経てふいに目の前に現れたのです。
実は、最近の生理のときには別の湯たんぽを愛用していたのですが、ヒビが入ってしまい捨てたばかりでした。それに気付いた夫は、残しておいた牛の湯たんぽがまだ使えるかどうか確かめ、息子に使い方を教えておいたんだそうです。
そして私が湯たんぽを必要としていることを感じた息子は、夫の教えを思い出し、私に湯たんぽを用意してくれたようでした。
あんなに小さかった息子から「これ、使う?」なんて言葉が聞けるとは思いもしなかったため、私は「本当に心も体も大きくなったなあ」と成長をしみじみ感じました。息子のやさしさ、小さいころの思い出、さまざまな思いがこみ上げ、生理痛もふっとんだ出来事でした。
著者:oniko/女性・主婦
イラスト:アゲちゃん
監修:助産師 松田玲子
医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、ベビーカレンダー、ムーンカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています
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