「耳うどん」とは?
栃木県南部・佐野市葛生(くずう)地区に伝わる郷土料理で、細長い一般的なうどんとは違い、耳のようなユニークな形をしているのが特徴です。
小麦粉を練って作る生地の形が耳に似ていることから「耳うどん」と呼ばれています。 お正月に「1年間、悪い噂を聞かず、良い年になりますように」という願いを込めて食べられる縁起物です。
また、「悪魔の耳を食べてしまえば、我が家の話しを悪魔に聞かれないので、その年は無病息災で過ごせる」という説もあります。

たしかに耳の形にそっくりです!!
耳うどんの名店「野村屋本店」を訪問
栃木県佐野市にある、創業明治40年の老舗「野村屋本店」を訪れました。
こちらでは、お正月以外の時期でも名物の「耳うどん」をいただけます。

店内は、入ってすぐ右側に小上がり席が数席あり、そのほかはテーブル席が並んでいました。
訪れたのは土曜日の17時頃、夜の部が開店してすぐの時間でしたが、すでに2組ほどお客さんがいらっしゃいました。
今回は小上がり席に案内していただきましたが、壁には有名人のサインがびっしり!
多くの人に愛され、さまざまなメディアで紹介されている人気店であることが伝わってきます。

過去に「秘密のケンミンSHOW」で紹介されていたようです!
ステッカーが貼られているのを発見しました。

耳うどんを実食

メニューを見ると、野村屋本店の「耳うどん」は全部で6種類。耳うどんとお蕎麦のセットメニューもありました。
- 耳うどん(ゆず・しいたけ入り)
- けんちん汁耳うどん
- かも汁耳うどん
- みそ煮込み耳うどん
- もつ煮込み耳うどん
- カレー煮込み耳うどん(もち・チーズ入り)
- 佐野名物セット
今回は、このメニューの中から3種類を注文しました。
佐野名物セット

まずは、佐野名物セットを注文。「耳うどん(ゆず・しいたけ入り)」と、もうひとつの佐野名物「大根そば」がセットになっています。
「耳うどん」は、もちもちとした食感でおいしい!ほんのりとゆずが香り、やさしいお出汁が体にじんわり染み渡ります。
具材にはかまぼこや伊達巻きなどが入り、お正月らしさも感じられる一品。お雑煮のような親しみのある味わいでした。
お次に、「大根そば」を実食!
おろし大根ではなく、千切りの大根がたっぷりのっているのが新鮮。シャキシャキした食感が加わり、さっぱりと楽しめる新感覚のそばです。
メニューによると、大根そばも「細く長く(そば)、白髪(大根)が生えるまで」という願いを込めた縁起物。 佐野市のホームページによれば、明治時代から親しまれる郷土料理で、千切り大根を加えることでそばの風味が増し、栄養の吸収も助けてくれるとのことです。
けんちん汁耳うどん

続いて「けんちん汁耳うどん」。野菜がたっぷり入っていて、食べ応えのある一杯です。
普段あまり野菜を食べない子どもも、夢中になって食べていたほど。体がぽかぽか温まり、寒い日にぴったりです。
カレー煮込み耳うどん

そして、少し変わり種の「カレー煮込み耳うどん」。
チーズとお餅がとろ~りと伸び、カレーと絡むことで濃厚な味わいに。 どこか洋食の雰囲気もあり、がっつり食べたい人に特におすすめです!
そのほかのメニューも充実


耳うどん以外にも、そばやうどんの種類がとにかく豊富。
セットメニューやご飯ものも充実しており、何度通っても飽きないラインナップです。
我が家の子どもも、早速「また行きたい!」と言っていました。

店内の壁には、佐野市のご当地キャラクター「さのまる」が耳うどんを持っているクリアファイルも貼られていました。かわいらしくて思わずパシャリ。
さらに、食べログの「うどんEAST百名店」に複数回選出されているとのこと。東日本の人気うどん店を選ぶ名誉あるランキングで、納得の実力です!
「耳うどん」を食べてよい一年を
「野村屋本店」の営業時間は、昼の部(11:00〜14:30)と夜の部(16:30〜19:30)の2部制。
JR佐野駅・東武佐野駅から徒歩8分とアクセスも良好です。佐野藤岡ICからも車で約15分。お店の横には駐車場も完備されています。
ぜひ、栃木県の珍しい縁起物「耳うどん」を味わって、よい一年を迎えてみてください。
◆野村屋本店
〒327-0023 栃木県佐野市相生町2819
※紹介した店舗・施設の情報は記事公開当時のもので、変更となる場合もございます。訪問時は事前にご確認ください