人生経験のある姉が感じていた違和感
そんな姉は、派手なことを言うタイプではありませんが、人やお金に関してはとても慎重で、現実的な判断をする人でした。私が交際相手のA也を紹介したときも、表立って反対することはなかったものの、どこか距離を保っているように見えました。
28歳になり、A也からプロポーズを受けたと報告した際も、姉は祝福してくれました。ただ、その表情は少し考え込むようなものでした。
「急がなくていいことだけは、覚えておいて」
それが、姉から私に向けられた、最初で最後の助言でした。
ご祝儀を巡って露わになった価値観
結婚式当日。控室で、姉は「お祝いだから」と言って、私にご祝儀袋を手渡してくれました。中には、身内としてごく一般的な金額が包まれていました。
ところが、その袋を見たA也は、私に確認もせず中身をのぞき込み、不満そうな表情を浮かべました。
「身内なんだし、もう少し包めたんじゃない?」
冗談めかした口調でしたが、その言い方に私は違和感を覚えました。すると彼は続けて、「副業もしてるって聞いてたからさ」と、まるで金額を評価するような発言をしたのです。
その様子を見ていた姉は、何も言わず、ただ静かに席を外しました。その背中を見たとき、私は胸の奥がひどくざわつきました。
式後に聞いてしまった、彼の本音
式が終わった後、控室でA也と話をしていたときのことです。彼は、さきほどのご祝儀の話を蒸し返すように言いました。
「正直さ、姉さんがしっかりしてるって聞いてたから、結婚後もいろいろ助けてもらえると思ってたんだよ」
その言葉を聞いた瞬間、頭が真っ白になりました。私自身ではなく、家族の経済状況まで含めて結婚を考えていた……と感じたのです。
その夜、私ははっきりと決めました。「この人とは、入籍できない」と。
後日、改めて話し合いの場を持ち、私は婚約を解消する決断を伝えました。姉の「急がなくていい」という言葉の意味が、そのときようやく腑(ふ)に落ちたのです。
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長年、家族を支え、現実と向き合ってきた姉だからこそ感じ取れた違和感。特別な能力ではなく、人生経験から培われた人を見る目が、妹を守った結果かもしれません。身近な人の冷静な助言が、人生の大きな選択を救うこともある、という教訓が残るエピソードではないでしょうか。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
※AI生成画像を使用しています
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もうちょっと早く本性見抜けなかったもんかね?