こんにちは、保育士の中田馨です。生後9~11カ月ごろになると、多くの赤ちゃんがテーブルなどにつかまって足を踏ん張って立つ「つかまり立ち」をするようになります。そこから、つかまり立ちが安定してくると、つかまり立ちをして手足を同時に移動させる「伝い歩き」を始めます。
つかまり立ちが始まると、赤ちゃんが過ごすお部屋の環境も赤ちゃん目線に合わせて、変えていく必要があります。今回は、つかまり立ちを始めたら気を付けたい「お部屋の安全」について話します。
つかまり立ちをする時期の赤ちゃんの発達と興味関心
つかまり立ちを始めるころの赤ちゃんは、指先を使って細かい動きができるようになります。
具体的に言うと下記のような動きです。
・ボタンなどの小さなものをつまむ
・引き出しを開ける
・シールをはがす
・絵本を自分でめくる
・手づかみで食べ物を食べようとする
つかまり立ちを始めると、赤ちゃんが今まで見えていた風景から1段見えるものが変わってくることで、赤ちゃんの興味関心がどんどん増してきます。また活動量も増えて活発にもなってきます。
また、伝い歩きが上手になってくる1歳前になると、フタの開け閉めをしたり、右手も左手も上手に使って遊べるようになってきます。また、心の発達としては、身近な大人のマネが上手になり、大人のしぐさをマネすることも増えてきます。
お部屋の安全には何を気を付ければいい?
では具体的にお部屋のどの部分に気を付ければいいのかを見てみましょう。
テーブルの上
赤ちゃんがよくつかまり立ちをするのはテーブル。座卓やローテーブルのような低いテーブルの場合は、赤ちゃんがつかまり立ちするとテーブルの上に置いているものがすべて見えてしまいます。赤ちゃんが触って困るものは片付けましょう。
ハサミや筆記用具、薬、たばこ、飲み物の入ったコップ、電池など。赤ちゃんが口に入れてしまって「うっかり」では済まされないようなものは、赤ちゃんが手の届かない場所に片付けるクセをつけましょう。
テーブルクロスや座布団
ダイニングテーブルの場合は、赤ちゃんがつかまり立ちをしても、上のものには手が届かないかもしれませんが、テーブルクロスやランチョンマットなどを敷いていると、赤ちゃんが引っ張って落とすことがあります。また椅子に座布団があれば、座布団につかまって立とうとするため、座布団ごと後ろにひっくり返ることも!
棚
低いテーブルの片付け同様、赤ちゃんが触って困るものを棚に置くことはやめましょう。また、引き出しも上手に開け閉めができるようになります。中のものを取り出すのももちろん危険ですが、開け閉めして遊んでいるうちに指をはさむこともあります。引き出しは開け閉めできないように、防止グッズなどを利用してもいいですね。
キッチン
つかまり立ちするようになると赤ちゃんの手の届く範囲にコンロのスイッチや引き出しなど、危険なものがたくさんあります。ベビーフェンスなどをして、赤ちゃんが入って来れないようにするなど、安全面を考えてみましょう。
お風呂
お風呂でもつかまり立ちをしようとするでしょう。お風呂には、つかまるところがあまりなく床が滑るので、つかまり立ちするときはいつも以上に気を付け、すぐそばで見守ることが必要です。
角をカバーする
つかまり立ちを始めると、頭を角で打ってしまうことも増えます。テーブル、棚、柱などにある角をカバーすると安心です。「まさかここで?」というところに頭をぶつけることもあります。
わが家の場合、三段ボックスの二段目の棚の角で頭を打ちました。赤ちゃん目線で角という角を点検してみましょう。
不安定なものは置かない
赤ちゃんがつかまるとグラグラしてしまうものは置かないようにしましょう。わが家の場合、大きなぬいぐるみにつかまって立ったときに、転んだことがあります。
これだけ安全面のことを言うと「四六時中見守ることなんてできないから、つかまり立ちさせないほうがいいのでは?」と思うかもしれませんが、あまり心配し過ぎないでください。つかまり立ちをすることで、赤ちゃんは手足の筋力をつけ、踏ん張る力をつけ、バランス感覚をつけ、上手に転ぶ方法も学んでいます。
そうすることで、徐々に転ぶ回数も減りますので、大人が事前に準備できる安全な環境の中で、おおらかに見守ってあげてください。