義母はひとり暮らしの寂しさからか、毎日のようにアポなしでわが家に押しかけてきました。それだけならまだしも、冷蔵庫の中身を勝手に持ち帰ったり、当然のように夕飯を要求したりと、その図々しさは目に余るものがありました。
無神経な夫と、エスカレートする義母の行動
義母は家事や育児を助けてくれるわけでもなく、朝から夕方までソファでゴロゴロしながら愚痴をこぼすだけ。私は精神的に追い詰められ、夫に何度も相談しました。
しかし、夫の返答はいつも絶望的なものでした。
「母さんが言ってたぞ。『嫁が孫の顔を見せに来ないから、仕方なく行ってやってる』って。本来ならお前から行くべきだろ?」
夫は私の味方をするどころか、常に義母の肩を持ち、私を責めるばかりだったのです。
そんなある日、夫から衝撃的な提案をされました。
「いっそのこと、母さんと一緒に住もうよ! 実家に行く手間も省けるし、家事もお前がやれば母さんもラクだろ? 実はもう、母さんとは話がついているんだ」
あまりに勝手な言い分に、私は耳を疑いました。
「この狭い家のどこに、お義母さんの部屋があるのよ! 1歳の息子もいるのよ?」
反論する私に、夫は信じられない言葉を放ちました。
「子ども部屋を母さんにあげればいいじゃん。まだ1歳なんだし、一人部屋なんていらないだろ? 俺がそう提案したら、母さんも『あら、それはいいわね』って喜んでたぞ」
孫の部屋を奪うことに何の罪悪感も抱かない義母と、それを当然のように語る夫。その無神経さに、私の中で何かがぷつりと切れました。
反撃開始!最強の助っ人、実母を召喚
私はすぐに実母に連絡し、すべてを打ち明けました。事情を察した母は翌朝の土曜日、新幹線でわが家に駆けつけてくれました。突然の来訪に驚き、寝ぼけた顔で起きてきた夫に対し、母は間髪入れずに言い放ちました。
「あー喉が渇いたわ。すぐに熱いお茶を淹れてちょうだい」
「おなかも空いたから、朝ごはんは品数多めに作って。パンじゃなくて、炊きたてのご飯がいいわね」
「あ、お湯が沸く間に肩も揉んでちょうだい。最近、年のせいか肩こりがひどいのよ」
私が義母に毎日されていることを、そのまま夫にやり返してくれたのです。困惑して私に助けを求める夫に、母は冷たく言い放ちました。
「何を困ってるの? 私の娘はあんたの母親に毎日同じことをされてるのよ。あんたは私に同じことができないって言うの?」
夫が絶句していると、母は「娘や孫になかなか会えないのは寂しいわね」とポツリ。私は「お母さん、いっそここでお母さんも一緒に暮らさない?」と提案しました。
パニックになる夫を横目に、私たちは「義母と実母とのダブル同居」の計画をどんどん進めるフリをしたのです。
夫に離婚届を突きつけて…
その日の夜、母が一度帰宅する様子を見せたタイミングで、私は記入済みの離婚届を夫に突きつけました。
「私と息子は、実家に帰ります。別れましょう」
すると、夫は真っ青な顔でしがみついてきたのです。
「嫌だ、離婚だけはしたくない! そんなことしたら母さんも悲しむだろ!」
最後まで自分のこと、そして義母のことしか頭にない夫。そんな彼に、母がニヤリと笑ってトドメを刺しました。
「あら、そんなに寂しいの? それならやっぱり私がここに住んで、あんたをビシバシ教育してあげなきゃね! ちょうどよかったわ、私もすぐに荷物をまとめてくるわね」
自分勝手な同居を強いた夫が、今度は「嫁の母親」に支配される生活……。その恐怖に直面した夫は観念したようで、離婚届に署名しました。
結局、夫は私の母という到底かなわない相手との生活に耐えられず、逃げるように離婚に応じたのです。養育費などの細かな条件は後日、書面に残して正式に決着をつけました。
元夫は実家に逃げ帰ったようですが、今では「母さんのせいで家庭が壊れた」と義母を責め、義母も「あんな嫁を選んだあんたが悪い」と私を悪者にしているそうです。お互いに責任をなすりつけ合う二人を見て、どこまでも自分勝手で反省しない親子なんだなと、改めてあきれてしまいました。
現在は実家で息子と穏やかな毎日を過ごしています。あの時、勇気を出して縁を切って本当に良かった。親しき中にも礼儀あり。それを守れない相手に尽くす必要なんて、どこにもなかったのです。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。