こんにちは、離乳食インストラクターの中田馨です。高温多湿な季節になると、細菌からの食中毒が発生することがあります。食中毒は20~37℃ほどの温度を好み、繁殖するといわれています。
厚生労働省でも「家庭でできる食中毒予防の6つのポイント」ということで紹介されています。今日はその6つのポイントを基本にしながら、家で調理するときの注意点を話します。
食中毒の症状はどんな感じ?
食中毒になると多くの場合、数時間後に発症します。菌によっては1週間後に出るものもあるので、原因の食べ物を特定するのが難しい場合もあります。症状としては、腹痛、下痢、嘔吐、発熱などが起きます。症状が激しく現れた場合は、迷わず病院へ行きましょう。特に、大人よりも細菌に弱い赤ちゃんは、重症化することがあります。大人よりもずっと注意が必要だと思ってください。
私の父母は、夏の旅先で食中毒になり、そのまま旅先で入院するということがありました。お昼ご飯に食べた貝が「なんだか変?」と思ったけれど普段食べ慣れない貝なので「こんなものかな?」と思い、食べてしまいました。口にして「なんだか変?」と違和感を感じたら、食べないことも大切です。
食中毒予防の3原則
厚生労働省の「家庭でできる食中毒予防の6つのポイント」のベースとなっているのが、食中毒予防の3原則「つけない・増やさない・やっつける」です。
細菌を食べ物に「つけない」
食べ物についた細菌を「増やさない」
加熱して「やっつける」
この3つが大切です。「うちは気を付けているから大丈夫」と思わず、意外にも見落としている部分があるかもしれません。食べ物を購入するところから、調理をして食べる。そして、保存するまでの間に、どんな「つけない・増やさない・やっつける」をすればいいかを、次から具体的にみていきます。
食中毒を起こさないために家でできること
まずは、スーパーなどで食品購入する時から、気を付けることができます。ここでできるのは3原則の中の「つけない・増やさない」です。
・消費期限などの表示をチェックする
・肉・魚はそれぞれ分けて包む
・保冷剤(氷)などと一緒に袋に入れる
・寄り道しないでまっすぐ帰る
特に夏は、スーパーから一歩外に出ると、灼熱の太陽が照っています。肉魚などの生ものを購入したときは、いつも以上に気を付けます。何件かお店を回る時などは、肉魚などの生ものは最後に購入するなど工夫するのもOK。肉魚の汁が、他の食材につかないように、袋を別にするとより衛生的です。
次に、スーパーから帰宅したときのポイントです。
・帰ったらすぐに冷蔵庫に入れる
・冷蔵庫に入れるのは7割程度(パンパンに入れない)
・肉・魚は汁が漏れないように包んで保存
・冷蔵庫は10℃以下に維持
・冷凍庫は-15℃以下に維持
生ものは冷蔵庫の下の段に入れ、上の段になるほどそのまま食べる食品を入れると、衛生的です。また、台風などで停電になった場合は庫内温度に影響を与えるので、扉の開閉は控えた方がいいといます。
調理をするときに気を付けること
ここでできるのは3原則の中の「つけない・増やさない」に加えて「やっつける」です。やっつけるとは、加熱してやっつけることです。まずは、調理の下準備で気を付けることから見ていきます。
・こまめに手を洗う
・こまめにごみを捨てる
・冷凍食品の解凍は冷蔵庫で
・タオルや布巾は清潔なものに交換
・まな板、包丁で肉魚を切ったら熱湯をかけておく
・肉魚は生で食べるものから離す
・野菜も良く洗う
・包丁などの器具、布巾は洗って消毒
下準備をする順番や衛生面に気を付けます。さらに調理で菌をやっつけます。
・加熱は十分に(めやすは中心部分の温度が75℃で1分以上)
・台所は清潔に
・作業前は手を洗う
・調理を途中でやめたら食品は冷蔵庫へ
・電子レンジを使う時は均一に加熱されるようにする
給食調理では、85℃以上90秒間以上加熱するのがルールになっています。より安心な調理を!ということで離乳食を調理する場合の参考にしましょう。
食事の前に手を洗い、盛り付けは清潔な器具、食器を使って食べます。食べ物を長時間室温に放置しないようにします。また残った食品は、手洗い後、清潔な器具、容器で保存します。この時、早く冷えるように小分けにするといいです。温めなおすときは十分に加熱します。残った食品が、ちょっとでも怪しいと思ったら、思い切って捨てます。離乳食でも、冷蔵、冷凍保存をすると思いますが、赤ちゃんに食べさせる前に、大人が試食して確かめましょう。
夏は、普段以上に食べ物の衛生管理を心がけることで、安心して食事をすることができます。また、食中毒は夏に限ったことではありませんので、これを習慣にすることで1年を通して家族を守るための食中毒予防になります。
※参考:厚生労働省「食中毒予防の6つのポイント」