婚約者を紹介して以降、妹の行動は目に余るものでした。私に隠れて彼と頻繁に連絡を取り、隙あらばふたりきりになろうとします。私がどんなに釘を刺しても「妹として接しているだけ。そう見えるなら彼が勝手に勘違いしているのかも」と言い張るばかり……。
時を同じくして、私は彼に対しても拭いきれない違和感を抱き始めていました。夜の外出が増え、スマートフォンを片時も離さなくなったのです。
「彼の子を妊娠した」勝ち誇る妹の略奪宣言
結婚式まであと1カ月というときのこと。妹から衝撃の事実を聞かされました。
「実は妊娠しちゃった。お姉ちゃんの彼の子なの。彼、責任を取って私と結婚するって言ってる」妹はさらに、「お姉ちゃんたちが押さえていた結婚式場の予約もそのままもらうね」と、信じられない要求を突きつけてきました。
私は「おめでとう。責任を取ってくれるなら安心だね」と妹の結婚と妊娠を祝福しました。その代わり、式場の契約変更と婚約破棄に伴う慰謝料については、容赦なく一括で支払うよう一筆書かせたのです。
あまりに淡々とした私の態度に妹は拍子抜けしたようでしたが、略奪の成功に酔いしれ、「彼は私が運命の相手だって言ってたし、お金くらい彼に払ってもらうからいいよ」と二つ返事で承諾。
こうして妹は、私の婚約者だった男性との結婚に向かって突き進んでいったのでした。
乱入した「彼の女たち」
そして迎えた結婚式当日。元婚約者ですが、姉として私も出席していました。
主役である妹と元婚約者を待っていたのは、会場を揺るがすほどの地獄絵図! なんと、式場に「彼の婚約者」を名乗る女性が乗り込んできたのです。
彼女は妹と同じように彼の子を妊娠していると叫び、会場はとんでもない雰囲気に……。言うまでもなく式は台無しになり、彼の醜態が完全に晒されました。
実は私は彼に複数の浮気相手がいることを知っていました。結婚前、妹に簡単になびく彼を見て不安になった私は、調査会社に依頼。結果、たくさんの浮気の証拠を掴んだのです。
彼が二度と浮気などできないよう、私は調査で判明した女性たち全員に、彼の結婚を伝えました。その中のひとりが結婚式の場所と日取りを調べ、今日ここにやってきたのでしょう。
「どうしてこんなことになったの! 知ってたなら教えてよ!」と妹は激昂!
私は「もちろん知ってたよ! あんなに簡単に身を引いたのに何の疑問も抱かないなんて笑っちゃう! それに姉の婚約者を奪うような妹にどうしてそんな大切なことを教えないといけないの?」と妹に冷たく言ったのでした。
妹は「一人で育てるなんて無理」「慰謝料だらけの夫なんて嫌」と泣きつきましたが、私は助ける気はありません。
略奪の先に待っていたのは……
今回の略奪騒動で両親は妹に呆れ、事実上の勘当を言い渡していました。頼る宛てを失った妹は、多額の慰謝料を抱えた浮気者の夫と、結婚生活をスタートさせるしかありません。
しかし待っていたのは甘い新婚生活ではなく、浮気ばかりの夫を勘繰るばかりのヒリヒリした毎日。もちろん彼は、結婚したからといって家庭に落ち着くこともなく、嘘をついて女の子に会っているようです。
もちろん慰謝料の支払いで給料のほとんどを失い、生活は極貧。妹は仕事を辞めるわけにもいかず、妊娠中の体で仕事を続けているとのことでした。
時折、泣き言を漏らす妹からの電話で状況は把握していますが、私に助ける筋合いなどありません。 最近では妹からの執拗な着信に疲れ果ててしまったため、そろそろ縁を切りたいと考えています。
裏切りの上に築いた脆い関係の中で、二人がその罪の重さを噛み締めながら一生を添い遂げることを心から願っています。
◇ ◇ ◇
誰かの幸せを壊してまで手に入れた関係は、常に「次は自分が裏切られるのでは」という不安と隣り合わせ。
本当の幸せは、誰かを傷つけて奪うものではなく、互いを尊重し、周囲からも祝福される誠実な関係の中にこそ宿るものではないでしょうか。自分自身の良心に恥じない選択をすることが、結果として自分自身の未来を守ることにつながるのかもしれませんね。
【取材時期:2026年1月】
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。